〔日記〕ぼのぼの
- 山から自転車で
- さくら売つてきた
- 山頭火
雨。川面がさざ波立っている。
実家に帰っている夢を見た。父に対してひどく腹を立てている。母は炬燵にあたり、気に留めずテレビを見ていた。もしこの母が死んだら、おれは実家に帰る意味があるのだろうか、と考えている。
ふと夢の中で気づく。母はもう何年も前に死んでいる。せめて夢の中だけでは実家に帰れるように、出てきてくれたのだろうと思う。今日は釈迦の生まれた日だ。
場面は変わり、死んだ母は姿を消す。地元の催しのレセプションに参加している。最近結婚して父親になったばかりの弟が、仲間と一緒に座についていて笑顔で手を振っている。少し話すと、「姉貴、言葉遣い乱暴になったね」としみじみと言われた。
此宿の不人気である理由が解つた、すべて世間師は生活に労マヽれてゐる、家庭的情味に餓えてゐる、彼等には宿が家である、そこには何よりもくつろぎとしたしみとがなければならない、いひかへれば at home な情緒が第一要件である、清潔とか何とかは第二第三の要件である、此宿のおかみさん抜目がなさすぎる、いたづらにきれい好きで、そしてふしんせつだ。
[種田山頭火 行乞記 (二) 一九三一(昭和六)年]
関内へ。勝治で激辛青唐辛痛麺。オフィスで発送作業。これで、2016年度の納品祭は終わったはず。経理処理をして、本屋めぐり。『ぼのぼの』の最新号が出ていた。
- 作者: いがらしみきお
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2017/03/27
- メディア: コミック
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そういえば18巻から先を読んでいない。電車を待つ間、Kindleで買って読み始める。
大きな仕事が収まって、一人で打ち上げをしたい気分だ。でも、まだ今日中にやらなければいけないことが細々とある。くじけそうな自分を慰めて御成スタバへ。19時半、終わらない仕事を諦めて呑みに行くことにする。
釈迦で天狗舞、一ノ蔵。鰹の刺身はまるでさくらの花弁のようだった。スペアリブの煮込みもいただく。
ヒグラシへ。有高さんの奥さんが手伝っていて驚く。常温一合と、ほうれん草のおひたし。今日はほうれん草ばっかり出る日なんだそうだ。チーズとポテトチップス、ミントティーを買って帰る。『ぼのぼの』を20巻まで読んで寝る。
〔日記〕須賀川へ
- 汽車が通れば
- 蓬つむ手を
- いつせいにあげ
- 山頭火
雨の中、若宮オフィスへ。会議で使う資料を出力する。桜は、雨の日がいちばん似合うと思う。
よく雨の音を聴いた、いや雨を観じた、春雨よりも秋雨にちかい感じだつた、しよう/\として降る、しかしさすがにどこかしめやかなところがある、もうさくら(平仮名でかう書くのがふさはしい)が咲きつゝあるのに、この冷たさは困る。
[種田山頭火 行乞記 (二) 一九三一(昭和六)年]
そのまま、横須賀線と東北新幹線を乗り継いで、須賀川へ。東京駅で石狩の駅弁を買った。新幹線の中では仕事がはかどる。願わくばWi-Fiが使えるといい。ネットに繋がらない間は、うとうとと居眠りをする。
新白河で部長と李さんと合流。部長は初めての福島らしい。須賀川駅前のウルトラマン推しに盛り上がる。タクシーでも、道の両脇に立ち並ぶウルトラマンと怪獣の像に歓声を上げ、運転手さんに面白がられる。
新年度初会議。新体制での顔合わせ。会議室代わりに使った中央公民館のOA視聴室には、大仰なドーナッツ型の会議テーブル。首脳会談みたいでいい気分だ。
会議後、出来たばかりの庁舎外観を見学し、ウルトラの父と記念撮影。さらに交流センターの現場を見に行き、現場事務所の設計室に押しかける。
帰りの新幹線は郡山経由。お腹が空いて須賀川駅でおにぎりセットを頬張る。新幹線と横須賀線の中で仕事。鎌倉に戻って、ヒグラシ文庫で常温一合、島豆腐、鶏スモーク。ワインとカマンベールチーズ、わかめシジミスープと炭酸を買って帰る。ワインをなめながら村山由佳の続きを読んで寝る。