〔日記〕「ゆいの森あらかわ」へ視察へ行く
- けさはあめの
- 花いちりん
- 山頭火
午前中、板橋区立中央図書館で会議。そこから電車を乗り継いで、「ゆいの森あらかわ」へ行く。
1階のカフェ・ド・クリエでお昼。ここは図書館フロアとゆるやかにつながっていて、貸出していない本を持ち込んで読むこともできる。カフェの中にも、図書館による特集コーナーが設置されている。このコーナーは、カフェ側の要望で始まったんだそうだ。
板橋区の皆さんとロビーに集合。あっちにもこっちにも、視察の団体がずらずらと並ぶ。視察対応にすっかり慣れた司書さんが、てきぱきと案内をしてくれる。
荒川区の図書館は直営だ。「ゆいの森あらかわ」でも、託児以外は直営で運営している。開館に至るまでの選書の話をうかがった。膨大な数の新規購入図書を、すべて司書が一冊一冊を目で見て判断して選んだのだという。その数なんと30万冊。指揮をとった司書は非正規職員。有能な職員を正規で抱え込めないのはもったいないことだ。この国の雇用制度全般に関わる問題なのかもしれない。
ICタグの導入を最後の最後まで検討していたが、最終的には取りやめとし、従来通りのバーコードによる運営にした。これは下町である荒川で、カウンターでのやりとりを重視したためなんだそうだ。ただし、カウンタースタッフに見られたくない本を借りることもあるだろうと、自動貸出機もわずかながら設置されている。こちらの利用もわりと多いようだ。
解散。しばらくぶらぶらと自由見学をし、空いている席に座ってみる。フロアには、よく見られるような「飲食禁止」だとか「静粛に」だとかいった貼り紙は無い。押しつけのマナーではなく、みんなでモラルを考えていく仕組みなのだろう。
予約制の学習室以外は、持ち込みパソコンの使用も自由だ。コンセントも気軽に使える。おじいさんと高校生の間にはさまって、19時過ぎまで仕事をしてみる。なかなか快適である。
雨、空は暗いが私自身は明るい、其中庵が建ちつゝあるのだから。――
[種田山頭火 行乞記 (三) 一九三二(昭和七)年]
しかし今日も行乞が出来ないので困る、手も足も出ない、まつたくハガキ一枚もだせない。
時々、どしやぶり、よう降るなあ!
昨日も今日も、そして明日も恐らくは酒なし日。
鎌倉へ戻る。ヒグラシ文庫へ。ポロシャツに帽子といういでたちで行ったら、今度は「ゴルファーみたいね」と言われる。冷酒二合、カニかまタルタル、サーモンのパクチーサラダ仕立て、ひよこ豆のフムス。タローさんにバゲットをたくさんおまけしてもらう。
帰ったらバシャールの新刊が届いていた。鮭トバ、ポテトチップスをお供に、しばし読んで寝る。
野原海明のお仕事一覧(ライター系)
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『ライブラリー・リソース・ガイド』(LRG)
第19号 特集1「図書館の指定管理者制度を問い直す〔序論〕」 取材・調査・執筆を担当しました。
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第13号 直前スペシャルトークセッション
「Library of the Year 2015から考える、未来の図書館」の記事化を担当しました。
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連載「ミステリーカフェ」にて、作家の薬丸岳氏へのインタビュー記事を担当しました。
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