醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕豪雨の九州へ向かう

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  • おちつかない
  • 朝の時計の
  • とまつてる
  • 山頭火

豪雨の九州へ向かう。積乱雲の上は皮肉にも雲の祭典だった。なかなか揺れたが、見とれてしまう。こんな素晴らしいものを見たなら、もし飛行機が落ちたとしても何の悔いもないとも思う。

空港でレンタカーを借りて、鎌倉さんの運転で図書館めぐり。菊陽町図書館、大津町立おおづ図書館、益城町交流情報センターと廻る。途中、大津町の文化ラーメンでお昼。

熊本市内について、熊本城を見る。無残にも崩れ落ちた石垣。どうやって直すのだろうか……。雨はやんだが、芝生が湿原のようになっている。そうとうな雨量だったのだろう。

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くまもと森都心プラザへ。明日の図書館総合展で配布する資料の準備を手伝う。その後、ホテルにチェックインして、少しだけ仕事。

夜は宿の人々と雑談する、行乞の話、酒の話、釣の話、等、等、――此家の人々はみんな好人物である、かういふ人々と親しくして余生を送ることができるやうになつた私の幸福を祝さう。
当地に草庵をつくるについて、今更のやうに教へられたことは、金の魅力、威力、圧力、いひかへれば金のきゝめであつた。
私は私にふさはしくない、といふよりも不可能とされてゐた貯金を始めることになつた、保證人に対する私の保證物として!(毎月壱円)
そして、私がしみ/″\と感じないではゐられないことは、仏教の所謂、因縁時節である、因縁が熟しなければ、時節が来なければ、人生の事はどうすることも出来ないものである。

[種田山頭火 行乞記 (三) 一九三二(昭和七)年]

市電で懇親会へでかける。馬肉をたんと食らう。さらに市電でまちなかに戻って二次会。眠くなってしまって、戦線離脱する。

〔日記〕日倉士歳朗ゲリラLIVE

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  • 梅雨あかり、
  • ぱつと花の
  • ひらきたる
  • 山頭火

珍しく会議の無い一日。朝から家でひたすらデスクワーク。途中、スーパーへ小松菜を買いに行く。バラッツのカレー粉でスープカレーをつくる。

たまりにたまっていたメールの山が、16時過ぎにようやくはける。そこからもう一踏ん張り仕事して、19時過ぎに呑みに出る。

雨、少しづゝ晴れてくる。
がよくなつた、昨春以来の脱肛が今朝入浴中ほつとりとおさまつた、大袈裟にいへば、十五ヶ月間反逆してゐた肉塊が温浴に宥められて、元の古巣に立ち戻つたのである、まだしつくりと落ちつかないので、何だか気持悪いけれど、安心のうれしさはある。
とにかく温泉の効験があつた、休養浴泉の甲斐があつたといふものだ、四十日間まんざら遊んではゐなかつたのだ。
建ちさうで建たないのが其中庵でござる、旅では、金がなくては手も足も出ない。
ゆつくり交渉して、あれやこれやのわずらひに堪へて、待たう待たう、待つより外ない。
臭い臭い、肥臭い、こゝでかしこで肥汲取だ、西洋人が、日本は肥臭くて困るといふさうだが、或る意味で、我々日本人は糞尿の中に生活してる

[種田山頭火 行乞記 (三) 一九三二(昭和七)年]

ひさしぶりのあさ月。マゴチの刺身と日本酒。キリンは高血圧かどうか、という話題。釈迦へ。これからラムでライブをするという日倉士歳朗さんが来ていて、2曲歌ってくれる。とても盛り上がる。

ヒグラシ文庫へ。冷酒一合、島豆腐。ものすごく混んできたので帰る。ばったりと寝てしまう。