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夢。 おれが棲んでいた「実家」は、改装のため骨組みばかりしか残っていない。まるで木造の海の家みたいに。汚れた畳、吹き抜ける風。おれは友達の彼氏と付き合っていることになっている。彼は畳の上に座り、おれに「キスをしよう」という。「舌をいれていい…
「わたし、先輩がいたから吹奏楽部に入ったんです」佐々木瑞穂にそう言われたのは五月、演奏会に使う楽器を運び出していた音楽準備室だった。他の部員も顧問の教員もまだ来ていなかった。 「中学のときからずっと好きでした」瑞穂のことは、入部してくるまで…
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