醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

書評

〔書評〕脳を操るコツを取り入れるだけで「すぐやる」人になれる! ~菅原洋平『すぐやる!「行動力」を高める“科学的な”方法』

すぐやれる人になるには、自己管理能力を高めて「意思力」を強化しなくちゃいけないのだと思っていた。でも、根性論だけ説いてみてもうまくいかない。本書のすごいところは、自分の脳を操るちょっとしたコツを取り入れれば、自然とすぐやる人になれるという…

〔書評〕瞑想が苦手な人にもできるマインドフルネス ~ ジャン・チョーズン・ベイズ『「今、ここ」に意識を集中する練習 心を強く、やわらかくする「マインドフルネス」入門』

マインドフルネスと聞くと、思い浮かぶのは「瞑想」だ。けれど、瞑想だけがマインドフルネスではないという点にポイントを絞っているのが本書の特徴なのだ。

〔書評〕「すぐやる」だけでは仕事は終わらない。~ マーク・フォスター『仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則・完全版』(前編)

今の仕事には出社義務も決められた勤務時間もない。遠隔地で働くスタッフ同士は、Googleカレンダーを使ってお互いの予定を把握している。自身の業務管理も同様にGoogleカレンダーを使うよう勧められていたが、行動をあらかじめ決めておきたくないあまのじゃ…

〔書評〕いま何の仕事をやったらいいのか脳に聞いてみよう~菅原洋平『脳にいい24時間の使い方』

「朝は創造的な仕事をして、昼は運動して、夜は語らい合う」のがいいと、アン・モロウ・リンドバーグの『海からの贈物 (新潮文庫)』には書いてあった気がする。「そういう生活って素敵!」と思ってフリーランスになったわけだが、科学的にはどうなの? とい…

〔書評〕檻から出た獣が最後に犯した「罪」とは? ~ 薬丸岳『ラストナイト』

顔には豹柄の刺青、左手は義手。何度も罪を犯し、その半生の殆どを刑務所で過ごしてきたた片桐達夫。59才になった片桐が刑務所を出てからふらりと顔を出したのは、30年来の友人である菊池正弘の居酒屋「菊屋」だった。ラストナイト作者: 薬丸岳出版社/メーカ…

〔書評〕仕事は「ロケットスタート」で集中すべし。~中島聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』

著者は、米国マイクロソフト本社でWindows95の基本設計を担当した中島聡(なかじま・さとし)氏。「右クリック」「ダブルクリック」「ドロップ&ドラッグ」の生みの親で、現在はUIEvolutionのCEOである。プログラマーとしての視点から仕事術を説く。なぜ、あ…

〔書評〕自分の心のなかが、いちばん遠い。~ 三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』

主人公の多田啓介は、まほろ市で細々と「多田便利軒」という便利屋を営んでいる。多田便利「屋」ではなく、ラーメン屋みたいに「軒」にしたのは、行天春彦いわく、 語呂が悪いから? 『便利屋多田』だと、だと、やっぱり『便利屋タダ』みたいだしね*1 という…

〔書評〕南無阿弥陀仏とは、「はい? 阿弥陀さま」という返事だったのか ― 五木寛之『親鸞』

人間臭さを感じさせる親鸞。五木寛之の『親鸞』は三部からなる長編小説だ。第一部には、貴族の子として育った八歳から、親鸞と名乗るようになり、越後へ流されるまでが描かれる。 「南無阿弥陀仏と念仏を唱えれば誰でも極楽浄土へ行ける」と教える法然の弟子…

〔書評〕満員電車から逃れた先にある未来の働き方とは ~ 「ワーク・シフト ―孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>」

今の人生に何が不満か?と訊かれたのは三年前のこと。いや特に不満なんてないけど、しいて言えば「満員電車で通勤すること」くらいかな、と答えた。朝の満員電車。これから会社に向かう人の顔を見るのが、おれは苦手だった。電車のドアが開くと、みんなレー…

〔書評〕「役立たず」が「いるだけで迷惑」なヤツのために奔走する 〜 市川春子「宝石の国2」

市川春子「宝石の国」2巻が発売された。宝石の国(2) (アフタヌーンKC)作者: 市川春子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/01/23メディア: コミックこの商品を含むブログ (27件) を見る宝石の国(2) (アフタヌーンコミックス)作者: 市川春子出版社/メーカ…

〔書評〕SFであることをいつのまにか忘れさせる、ひりひりと胸を焼く漫画作品 〜 市川春子「25時のバカンス」「宝石の国(1)」

市川春子の漫画が好きだ。SFなのだけれど、どれもやけに現実の手触りがする。SFであることをつい忘れて、その世界の中に浸ってしまう。最初に出逢ったのは「25時のバカンス」だった。25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)作者: 市川春子出版社…

お金のことを心配する必要はない。〜 ジュリア・キャメロン「ずっとやりたかったことを、やりなさい。2」

迷走するとお世話になるジュリア・キャメロンの本。ずっとやりたかったことを、やりなさい。(2)作者: ジュリア・キャメロン,菅靖彦出版社/メーカー: サンマーク出版発売日: 2013/01/09メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 2回この商品を含むブログ (…

〔書評〕社畜は厭だから起業、は安易よ。〜「僕たちの前途」古市憲寿

このまま雇われて働いていていいんだろうか、と近頃よく考える。書店には、おおげさな起業ではなくて、「ナリワイ」「3万円ビジネス」「1万円起業」や、ノマドワークを進める本が並んでいる。たとえば、こんな感じに。ナリワイをつくる:人生を盗まれない働…

矢尾こと葉「天職は身をたすける! 好きなことを仕事にする方法」

正社員になれば生涯安泰という、夢みたいな時代は終わってしまった。なにが起きても「自分は食っていける」という芯を持って生きていきたい。そのためには、好きなことを仕事にするのが、これからの時代にはいちばん地に足のついた生き方なのかもしれない。…

山田詠美『放課後の音符(キイノート)』

主人公は「私」。高校二年生、十七才。 男の子とつきあったこと、なし。セックスも、まだ知らない。 両親は離婚をしている。母親に若い恋人ができてしまったから。 いまは父親と二人暮らし。 上級生のとある男の子や、幼なじみの純一が、ちょっと気になるこ…

田村元『歌集 北二十条西七丁目』

未刊の同人誌「まるくす」の同人仲間、タムこと田村元*1が歌集を出版した。おめでとう。歌集 北二十二条西七丁目 (りとむコレクション)作者: 田村元出版社/メーカー: 本阿弥書店発売日: 2012/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブロ…

金子光晴「女への弁」

最近は金子光晴を読んでいる。友部正人の「絵葉書」という歌が好きだから。図書館で借りてきた本は、金子光晴の詩や散文に写真をつけたもの。妻の不倫や生活苦の果て、詩を捨てた詩人が旅した途を後の写真家が辿ったもの。アジア旅人作者: 金子光晴,横山良一…

岡野玲子『陰陽師』

目 その光鬼を縛り魔を裂く。 口 赤くつややかにて毒をはく舌を隠す。 女 美姫を好み多く妖かしを従える。 友 実直にしてあつい心を持つ楽のものあり。彼ひとりに心許す。 *1 陰陽師 (1) (Jets comics)作者: 岡野玲子,夢枕獏出版社/メーカー: 白泉社発売日: …

山岸凉子『ツタンカーメン』

なにか心寂しいある夏の夜、長い漫画を読んでみたくなり手を伸ばしたのは山岸凉子『ツタンカーメン』。文庫サイズで出版されるにあたり内容のわかりやすいこの標題となりましたが、コミックまでは『封印』というタイトルだったそうです。誰もが知っているエ…

〔書評〕鎌倉は「もしもし下北沢」に似ている町かもしれない。~ よしもとばなな『もしもし下北沢』

電子版も出ている『もしもし下北沢』。市川準監督「ざわざわ下北沢」へのオマージュ?もしもし下北沢作者: よしもとばなな出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2010/09/25メディア: 単行本 クリック: 53回この商品を含むブログ (46件) を見る主人公のお父さ…

原作漫画『JIN-仁-』とドラマ作品はやはり別物であるようだ

『JIN-仁-』、原作を読み始めました。JIN―仁― 1 (ジャンプ・コミックスデラックス)作者: 村上もとか出版社/メーカー: 集英社発売日: 2001/04/04メディア: コミック購入: 8人 クリック: 159回この商品を含むブログ (116件) を見る二〇〇九年秋、ドラマ化され…

山岸凉子『日出処の天子』

聖徳太子といえば、懐かしいあの一万円札。あごがなんとなく出ていて、しもぶくれで、ひょろっとしたおヒゲが生えている。お内裏様みたいに、烏帽子をかぶって杓を持っている。歴史の授業でもおなじみだ。摂政なんていうえらい役職で、冠位十二階とかいう画…

白井弓子『天顕祭』

時は、少し先の未来。空爆によって毒物が散布された「汚い戦争」が終わり、人々は汚染を免れた土地で復興を遂げていた。資源不足の中バイオ技術は進み、建物にはバイオ建材が使われている。鉄鋼も木材もないため、鳶職は竹を組み、足場としている。それは遠…

ひつじ不動産 「東京シェア生活」

夏が来ると思い出すドラマがある。リアルタイムで見ていたわけではないのだけれど。すいか DVD-BOX (4枚組)出版社/メーカー: バップ発売日: 2003/12/21メディア: DVD購入: 13人 クリック: 258回この商品を含むブログ (289件) を見るエッチな漫画を書くしかな…

イライラをほどこう。本田直之『ゆるい生き方』を読んで。

東京駅の構内、せかせかと歩く自分。前の人が遅かったり、行く道をふさがれたりしていると思わずイラッとしてしまう。そんな自分に気づくとこれではいけないと思う。何をそんなに急いでいるのだろう? どこへそんなに急いで行きたいのだろう?ゆるい生き方 ?…

スターバックスの秘密。『人が輝くサービス』を読んで。

職場の近くにはスターバックスと、もう一つ似たような雰囲気のカフェがあります(あえてここでは名称を出しませんが)。始めのころはスターバックスじゃないほうのカフェによく行っていました。パスタも出しているので変な時間のお昼休憩にはちょうどよかっ…

谷村志穂 『海猫』

漁村に嫁ぐ花嫁。あまりにも美しく白く透き通った、漁師の村には似合わない女。彼女の母親は強い女である。ロシアの血をひく男と添うためにすべてをなげうって生きてきた。娘の薫は父の血を受け継ぎ、まるで海猫のような青い瞳をしている。海猫〈上〉 (新潮…

谷村志穂 『なんて遠い海』

あけましておめでとうございます。 実家に帰って、十代の頃に買い集めていた本たちを懐かしく手に取りました。なんて遠い海 (集英社文庫)作者: 谷村志穂出版社/メーカー: 集英社発売日: 2001/10/19メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) …

中谷彰宏 『お金は使えば使うほど増える』

自分で稼いだお金で生活費をまかなうようになって、真剣にお金の使い方を考えるようになった。チラシやらネットの情報やら見比べて、とにかく安い店を探したり、よそのお店のチラシを持っていって「もう少し安くなりませんかねぇ」と値切ってみたりした。で…

矢尾こと葉 『朝レイキで毎日スッキリ!』

通勤途中、乗り換えの駅の中を歩きながらすごくイライラしている自分に気がついた。前を歩く人が気に入らない。横をすり抜けていく人が気に食わない。誰かにちょっとぶつかっただけで舌打ちしそうになる。これはいけない、全然ハッピーじゃない、なんとかし…