醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

書評

瀬戸内晴美 「中世炎上」

中世炎上 (新潮文庫)作者: 瀬戸内晴美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1989メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る室町時代、後深草院二条という女房によって書かれた「とはずがたり」。この手記は昭和十五年になってようやく時代の光を浴びました…

井上靖 「額田女王」

額田女王 (新潮文庫)作者: 井上靖出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1972/11/01メディア: 文庫 クリック: 16回この商品を含むブログ (13件) を見る井上靖さんの本はちゃんと読んでみたいと思い、「しろばんば」を以前借りてきたのですが、途中で挫折。どうやら…

加藤登紀子 「わんから 即自独楽」

わんから―即時独楽作者: 加藤登紀子出版社/メーカー: 中央法規出版発売日: 1994/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る詩とエッセイと、写真と書と焼き物の本。歌にとどまらないお登紀さんの感性に脱帽です。タイトルとなった…

瀬戸内寂聴 「寂庵浄福」

寂庵浄福 (1980年)作者: 瀬戸内寂聴出版社/メーカー: 文化出版局発売日: 1980/07メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る実家の本棚にあり、私が読んだのは右記の新刊本でした。化粧直しを何度もされ、文庫本として新たに出版されているようです。寂庵…

瀬戸内寂聴 「新寂庵説法 愛なくば」

実家に帰ると、母の本棚には寂聴さんの著書がたくさん並んでいます。暮れから正月の帰省中に、新たに二冊読み終わりました。寂聴さんの文章は、読みやすくて美しい。さらりさらりと、染み透るよう。今日昼間にテレビを点けてみたら「女の一代記」シリーズの…

鼻血が出るほど、書きたいこと。 ~ よしもとばなな 「引っこしはつらいよ」

引っこしはつらいよ―yoshimotobanana.com〈7〉 (新潮文庫)作者: よしもとばなな出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/06/26メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (36件) を見るばななさんの日記には、はっとすることが多い。(時々、怒られてい…

瀬戸内寂聴 「寂聴 般若心経 生きるとは」

仏教が気になる今日この頃。「釈迦」と一緒にこの本を借りてきました。日本人であればおそらく一度は聞いたことのある般若心経。でも、そのお経にどんな意味がこめられているのかは、多くの人が知らないはず。寂聴 般若心経―生きるとは (中公文庫)作者: 瀬戸…

女人成仏 ~ 瀬戸内寂聴 「釈迦」

仏教説話に描かれた女性観を探る、という授業をとった。扱われる資料という資料に、みな男尊女卑の考えが見られる。女は愛欲にひた走る、女は嫉妬にとらわれる。女には血のけがれがある。ゆえに女は仏にはなれない。そ、それは一体どういうこと!?というわけ…

瀬戸内寂聴 「私の好きな古典の女たち」

「万葉集」「とはずがたり」「和泉式部日記」「蜻蛉日記」「堤中納言物語」「源氏物語」。それぞれの古典文学作品に登場する魅力的な女たち。千年経っても人の物思いは変わらぬもの。より親しみを持って古典を見つめることができる一冊だ。古典に苦しむ受験…

赤瀬川源平 「トマソン大図鑑 無の巻」

文章を読まずに、ただぱらぱらとページを捲っても素人には何が面白いのかさっぱりわからない。しかしひとたびそこに書かれた説明を読めば、抱腹絶倒、もう引き返すことは不可能である。トマソン大図鑑〈無の巻〉 (ちくま文庫)作者: 赤瀬川原平出版社/メーカ…

お化粧なんて、しない。 ~ 岡本敏子 よしもとばなな 「恋愛について、話しました。」

恋愛について、話しました。作者: 岡本敏子,よしもとばなな出版社/メーカー: イーストプレス発売日: 2005/09メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (63件) を見る岡本敏子さんはお化粧したりしないらしい。ここまでくると、すがすが…

年上のひと。 ~ よしもとばなな 「High and dry(はつ恋)」

High and dry (はつ恋)作者: よしもとばなな出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/07/23メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 30回この商品を含むブログ (113件) を見る年上の男のひとに憧れる時期……というのが、おんなのこにはある気がする。それはたいて…

早起きのおへそ ~ 「私のカントリー別冊 暮らしのおへそ」

行き詰ったときは、本に答えを探すことが多い。暮らしのおへそ―THE STORIES OF 13 PEOPLE AND THEIR EVERYDAY HABITS (私のカントリー別冊)出版社/メーカー: 主婦と生活社発売日: 2006/01メディア: ムック購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (18件…

クラフト・エヴィング商會 「クラウド・コレクター <手帖版>」

すぐそこの遠い場所、「AZOTH(アゾット)」。新版 クラウド・コレクター (ちくま文庫)作者: クラフト・エヴィング商會出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/04/08メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (56件) を見る いいかい、こ…

江國香織 「神様のボート」

淡々とすすむ日々。けれどそこはいつも狂気でみちている。神様のボート (新潮文庫)作者: 江國香織出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/06/28メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 71回この商品を含むブログ (179件) を見る葉子と草子の親子は、母と私の関係と…

杉浦日向子 「百日紅 (上・下)」

江戸を描かせたら天下一品。杉浦日向子さんの漫画です。残念ながら昨年亡くなられてしまいましたが……百日紅 (上) (ちくま文庫)作者: 杉浦日向子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/12メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 49回この商品を含むブログ (111…

ますむらひろし 「[ますむら版] 宮沢賢治・童話集 KENJI by CATS」

〈ますむら版〉宮沢賢治・童話集―Kenji by cats作者: ますむらひろし出版社/メーカー: 朝日ソノラマ発売日: 1991/03メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る初めて出逢った「銀河鉄道の夜」は、ますむらひろしさんの漫画をアニメ化…

ほんとうの幸福 ~ 宮沢賢治 「銀河鉄道の夜 第三次稿」

広く知られた最終稿よりも、ブルカニロ博士の登場する第三次稿が好きです。カムパネルラの死が決定的でなく、ラストがほんのりと明るいから。そして何より、最後に車内に現れた「青白い顔の瘠せた大人」(彼はブルカニロ博士の幻影でしょうか)の言葉が、そ…

よしもとばなな・奈良美智 「アルゼンチンババア」

単行本が初めて書店に並んだとき、私は「アルゼンチンバナナ」だとすっかりかんちがいしていました。「バナナ」と「ババア」。二文字違うだけなのにぜんぜん印象の違うタイトルだ……。アルゼンチンババア (幻冬舎文庫)作者: よしもとばなな出版社/メーカー: …

まぶいを落とす ~ よしもとばなな 「なんくるなく、ない ―沖縄(ちょっとだけ奄美)旅の日記ほか―」

なんくるなく、ない―沖縄(ちょっとだけ奄美)旅の日記ほか (新潮文庫)作者: よしもとばなな出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/03/28メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (43件) を見るばななさんの眼で見た沖縄。そこには大和が忘れてきてし…

孤独の飼い馴らし方

去年のちょうど今頃、盛岡で自動車の教習を受けていた。合宿中の滞在はビジネスホテル。ヒールでコツコツとロビーの床を鳴らす。ホテル暮らしはなんだか贅沢な気分だ。家族とも恋人とも友人とも離れ、一ヶ月弱を過ごしたイーハトーヴ、モーリオ。夜の盛岡繁…

吉本ばなな  「ハードボイルド/ハードラック」

ハードボイルド/ハードラック (幻冬舎文庫)作者: 吉本ばなな出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2001/08メディア: 文庫 クリック: 18回この商品を含むブログ (53件) を見るこの本は怖くて仕方なくて、いつも手にするのにひどく勇気が入る。そのくせ、いつもなぜ…

お金欲しい? ~ よしもとばなな 「海のふた」

海のふた (中公文庫)作者: よしもとばなな出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/06メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (66件) を見る 私たちは、ただ、一日のことを一日分だけする暮らしがしたいだけなの。お金は大好きですけど、あり…

吉本ばなな  「N・P」

N・P (角川文庫)作者: 吉本ばなな出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1992/11メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (62件) を見る 「夏好き?」 「死ぬほど好き。いつも夏のことばっかり考えてる。」 「恋ね。」 「咲は?」 「私は春が好き。で…

吉本ばなな 「虹」

レポートの為に「蜻蛉日記」の文献をざくざくっと読み、その合間にばななさんの小説を読んでいた。もしかすると息抜きの読み物の方が多かったかもしれない。ばななさんとの出逢いは中学の図書室。「うたかた / サンクチュアリ」「アムリタ」「キッチン」。素…

向田邦子 「霊長類ヒト科動物図鑑」

向田ファンならお馴染み、「う」の抽斗についての一節を含むエッセイ集。運命を感じさせる「ヒコーキ」もこの本に納められている。霊長類ヒト科動物図鑑 (文春文庫 (277‐5))作者: 向田邦子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1984/08メディア: 文庫購入: 1人 …

大和和紀 「あさきゆめみし 源氏物語 7」

あさきゆめみし(7) (講談社漫画文庫)作者: 大和和紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/07/31メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見る当代一の貴公子と名高い薫と匂の宮に愛されながら、その苦悩は深まるばかり。誠実な…

大和和紀 「あさきゆめみし 源氏物語 6」

臣下として最高の位に上り詰めた光源氏と、内親王である正妻、女三宮との間に生まれた子。この上ない身分、美貌に生まれつきながら、薫の心には晴れないものがある。自分を生んですぐに出家してしまった母。光源氏とは似ていないらしい己の顔。自分は一体誰…

二号さん ~ 向田邦子 「無名仮名人名簿」

笑わずしては読めない。散々笑った後、ふと考えさせられてしまう。エッセイの名手と呼ばれるこの方の文章は、一度読み始めたらとりこになる。無名仮名人名簿 (文春文庫 (277‐3))作者: 向田邦子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1983/08メディア: 文庫購入: …

大和和紀 「あさきゆめみし 源氏物語 5」

あさきゆめみし(5) (講談社漫画文庫)作者: 大和和紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/07/31メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 6回この商品を含むブログ (8件) を見る絶世の美男子もやがて歳をとる。彼の中年の季節は、その栄光とは裏腹に、苦悩に満ちた…

向田邦子 「隣の女」

「おねがい。さっきの駅の名前、もう一度言って」 「上野。尾久。赤羽。浦和。大宮。宮原。上尾。桶川。北本。鴻巣。吹上。行田。熊谷。籠原。深谷」 サチ子は、耳たぶが熱くなり、息が苦しくなった。酔いが廻ってくるのが判った。 「岡部。本庄。神保原。新…

向田和子 「向田邦子の恋文」

ほんのわずかな手紙と日記。それだけで伝わってしまう。誰よりも近かった二人の距離。そして、あるかなきかの亀裂。恋人の書くラジオを聴き、書き留めるのを日課とした彼。忙しい仕事の合間、足繁く通いつめた彼女。そして彼が撮った、幾枚もの彼女のポート…

許されぬ恋の終わり ~ 大和和紀 「あさきゆめみし 源氏物語 3」

あさきゆめみし(3) (講談社漫画文庫)作者: 大和和紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/07/31メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 6回この商品を含むブログ (14件) を見る文庫版はひとつの巻が厚く、印象的な場面が数限りなく収められているので、どこを取…

花散里の懐深さ ~ 大和和紀 「あさきゆめみし 源氏物語 4」

あさきゆめみし(4) (講談社漫画文庫)作者: 大和和紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/07/31メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 7回この商品を含むブログ (12件) を見る「源氏に登場する女の一人になれるとしたら、誰が良い?」 と聞かれたことがある。そ…

夢枕獏 「陰陽師 太極の巻」

清明と博雅。二人が酒を酌み交わす場面から、いつものように物語は始まる。はらはらとさせる妖怪退治の話もまた一興だが、どちらかといえば「棗坊主」のような話が好きだ。散る桜の花びら、果実の強い香。陰陽師 (太極ノ巻)作者: 夢枕獏出版社/メーカー: 文…

〔書評〕人生の重み ~ 小林竜雄 「向田邦子 恋のすべて」

向田邦子がかたくなに秘めてきた恋。生前の彼女を知る人達とのインタビューを通し、その断片が浮かび上がる。本当のところは彼女にしかわからないという余韻を残し、最後の恋がひっそりと語られる。向田邦子 恋のすべて作者: 小林竜雄出版社/メーカー: 中央…

二十二歳の選択 ~ 向田邦子 「夜中の薔薇」

作者亡き後、最も早くに出版されたエッセイ集。「眠る盃 (講談社文庫)」の続編*1。夜中の薔薇 (講談社文庫)作者: 向田邦子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1984/01/09メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (43件) を見る前半の短い部…

巣食う鬼 ~ 夢枕獏 「陰陽師 生成り姫」

「陰陽師―付喪神ノ巻 (文春文庫)」に収録されている短篇のひとつを長編化したもの。*1 「博雅よ。これは、五徳の姫だけではない。人は誰でも、時に、鬼になりたいと願うことがあるのだよ。誰でも皆、心には鬼を棲まわせているのだ」 「すると、清明よ、鬼は…

古典の小悪魔、朧月夜の君。 ~ 大和和紀 「あさきゆめみし 源氏物語 2」

読み出せばとまらぬ、源氏物語。千年もの時を越えても、人の情けとはこうまで変わらないものなのか。自らを戒めながらも怨霊に身をやつす六条の御息所の苦しみ、痛いほど。あさきゆめみし(2) (講談社漫画文庫)作者: 大和和紀出版社/メーカー: 講談社発売日: …

少女漫画で陶酔する古典 ~ 大和和紀 「あさきゆめみし 源氏物語 1」

源氏物語の翻訳は数あれど、わかりやすく読めるもの、とっつきやすいものと言えば大和和紀さんの「あさきゆめみし」である。ユーモラスな末摘花の帖は漫画ならではだ。あさきゆめみし(1) (講談社漫画文庫)作者: 大和和紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001…

花は散るから、美しい。 ~ 夢枕獏 「陰陽師 飛天ノ巻」

陰陽師、第二巻。清明と博雅の掛け合いに乗せられ、するすると読み終わってしまう。端正な清明と実直な博雅は、正反対のようでいてなかなか良いコンビだ。 「離れるものか。それはあの坊主に懸想しておきながら。誰が、この下衆の女から離れてやるものかよ。…

辞書を読む ~ 向田邦子 「眠る盃」

画像だと見えづらいかもしれないのだけれど、この表紙の絵がなんとも素敵。棒人間ならぬ棒猫と、骨の魚が並んでいる。「夜中の薔薇」と並べるとなお良し。両方とも司修さんの絵だ。眠る盃 (講談社文庫)作者: 向田邦子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1982/06…

誰にでも、簡単に読めること ~ 夢枕獏 「陰陽師」

板前さんから借りた本。流行した頃には読まず、今頃になって縁が繋がった。映画化されたものを観ていたせいで、読んでいると俳優の顔が浮かんでくる。伊藤英明が演じた源博雅は、たおやかだったような気がする。だが、小説の博雅は無骨な武士だ。琵琶には精…

男の執念 ~ 永井荷風 「つゆのあとさき」

早稲田に古本屋は数あれど、五十嵐書店*1ほど立ち入るのに緊張を要する古本屋は無い。小汚い格好の一学生としては、「どうもこんなものが来店してしまって申し訳ありません」という気持ちで自動ドアを潜る。綺麗に整頓された本。ギャラリーのような展示。長…

男の孤独 ~ 佐野洋子 「がんばりません」

確かこの本は、浪人時代に読んだはずなのだ。でも、憶えていない。なぜか、解説のおすぎさんの文章だけを覚えている。やはり他のことで頭がいっぱいのときに、現実逃避のようにして本を読んでも駄目なのですね。がんばりません (新潮文庫)作者: 佐野洋子出版…

独りを慎まねば ~ 向田邦子 「男どき女どき」

向田さんが残した最後の小説と、エッセイをまじえた一冊。特にエッセイに、心に残るものが多い。例えば「独りを慎む」。 自由は、いいものです。 ひとりで暮らすのは、すばらしいものです。 でも、とても恐ろしい、目に見えない落とし穴がポッカリと口をあけ…

シナリオの裏側 ~ 向田邦子「女の人差し指」

向田邦子さんの最後のエッセイ。彼女の死によって十四回で中断されてしまった連載の他、未刊行作品が収録されている。女の人差し指 (文春文庫 (277‐6))作者: 向田邦子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1985/07メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 7回この商…

なんだかミュージカルみたい ~ 中野美代子 「西遊記【一】」

フジテレビのドラマ「西遊記」に影響され、原作を読んでみたくなった。『李卓吾先生批評西遊記』の全訳である岩波文庫版西遊記は、柔らかな語り口で書かれているのでとっつきやすい。絵本を読むような感覚で西遊記の全訳を味わえる。例えば、こんな訳。 「大…

謎のいきもの。 ~ 小川洋子 「ブラフマンの埋葬」

「僕」がともに暮らしたブラフマンとは、一体どんな動物だったのだろう。そして僕はどこの国の、いつの時代に生きているのだろう。ブラフマンの埋葬作者: 小川洋子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/04/13メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含む…

角田光代「空中庭園」

空中庭園作者: 角田光代出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2002/11メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (84件) を見る先日観た映画の原作を読んでみる。映画のように大爆発はしないかわりに、終わったときの爽快感もない。じわじわじわじわ…