醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

たかがアルバイト、されどアルバイト

アルバイト。だけれど、「バイトだから」と卑屈にならない。おれという人間は一人だから、おれだけにできる仕事をしよう。それは仕事の内容ではなくて、そこにまとう雰囲気。

このバイト、第一週目。大衆食堂のレジや、厨房のバイトはしたことがあったが、きちんとした料亭は初めてだ。サービス精神が問われる。高い料金の中には、サービスの心得も含まれる。

笑顔を忘れない。忙しくても冷静さを失わない。難しいけれど、求められる仕事。

ちょっとずつ新しい仕事を覚えていく。これが完璧、というものは存在しない。ひとつできるようになれば、またひとつ習得しなければならない仕事が与えられる。

やりがいがある。部屋でひとりでいるよりもずっといい。

やらなくてはいけないことがあるというのは、自分の居場所があるということ。