シナリオの裏側 ~ 向田邦子「女の人差し指」
向田邦子さんの最後のエッセイ。彼女の死によって十四回で中断されてしまった連載の他、未刊行作品が収録されている。
- 作者: 向田邦子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1985/07
- メディア: 文庫
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現在大学でシナリオの書き方を習っているので、「テレビドラマ」の章が特に興味深い。
「一時間ドラマっていうけど、中身は四十五分なのよ。四百字の原稿用紙で、十八枚書くとCM、また十八枚書くとCMになるのよ。18×4=72枚。中で、テーマはハッキリ。主役は立てろ、ただし、AさんとBさんのからみは三シーン。CさんDさんはからめません。Eさんは映画とダブっているのでセリフを少なく。見せ場はタップリ、遊びも入れる。笑いあり涙あり。為になって面白く、幼稚園の生徒からお年寄りまで受けるホンを書けっていわれてやってるのよ。ガタガタ言わないで頂戴よ!」*1
そ、そうか、シナリオというものはそこまで考えて書かなくてはいけないのか。書き始めたばかりの自分のシナリオが、あまりに甘っちょろいことに気づく。