醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

黒猫のワイン

花の金曜日。毎週七限(19:40〜21:10)にあった介護体験実習講義は早くも終了。金曜の授業はひとつだけになった。

一年の頃の土曜日は、昼まで仕事があった。

二年の頃の土曜日は、夜遅くまで授業があった。

三年になった今年、ようやく金曜日の解放感を味わえるようになった。明日は仕事も無く、授業も無い。遠慮なくお酒が飲める。

スーパーでずっと気になっていたラベルのワインを買って帰る。「Gato Negro」、スペイン語で黒猫という意味だそうだ。私の時給とほぼ同じ、手ごろな値段。程よい渋み。かりんとうを齧りながらクイクイと飲んでしまう。

帰りしな、以前勤めていた職場の上司にばったり会った。私が派遣職員だったときは人手不足できゅうきゅうで、専任職員の方はみなどこかしら身体に不調を訴えていた。そんなときにやめてしまったので、引け目がある。状況が改善されたかどうかを伺うことはできなかったが、とりあえずお元気そうな笑顔だったので少しばかり安心した。そのうち、菓子折りを持って訪ねてみよう。