少女漫画で陶酔する古典 ~ 大和和紀 「あさきゆめみし 源氏物語 1」
源氏物語の翻訳は数あれど、わかりやすく読めるもの、とっつきやすいものと言えば大和和紀さんの「あさきゆめみし」である。ユーモラスな末摘花の帖は漫画ならではだ。
- 作者: 大和和紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/07/31
- メディア: 文庫
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初めて読んだ源氏物語は、小泉吉宏さんの「まろ、ん?」だった。こちらもわかりやすし、笑ってしまう。なにより、すぐに物語全体の流れがわかるのがいい。ただ、登場人物の心の機微は、長い物語をじっくりと辿っていかないとよくわからない。「あさきゆめみし」は、その点とてもよい。
- 作者: 小泉吉宏
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2002/01
- メディア: 単行本
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小説であれ漫画であれ、男性が訳すものと女性が訳すものとでは全く性質が違うように感じる。男性が描く光源氏は、リアルな一男子だ。物語に陶酔するには、源氏はやはり、女性の描く理想の男性像であって欲しい。
とはいえ、男性から見た源氏も案外好きである。