醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

少女漫画で陶酔する古典 ~ 大和和紀 「あさきゆめみし 源氏物語 1」

源氏物語の翻訳は数あれど、わかりやすく読めるもの、とっつきやすいものと言えば大和和紀さんの「あさきゆめみし」である。ユーモラスな末摘花の帖は漫画ならではだ。

あさきゆめみし(1) (講談社漫画文庫)

あさきゆめみし(1) (講談社漫画文庫)

初めて読んだ源氏物語は、小泉吉宏さんの「まろ、ん?」だった。こちらもわかりやすし、笑ってしまう。なにより、すぐに物語全体の流れがわかるのがいい。ただ、登場人物の心の機微は、長い物語をじっくりと辿っていかないとよくわからない。「あさきゆめみし」は、その点とてもよい。

まろ、ん?―大掴源氏物語

まろ、ん?―大掴源氏物語

小説であれ漫画であれ、男性が訳すものと女性が訳すものとでは全く性質が違うように感じる。男性が描く光源氏は、リアルな一男子だ。物語に陶酔するには、源氏はやはり、女性の描く理想の男性像であって欲しい。

とはいえ、男性から見た源氏も案外好きである。