醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

向田和子 「向田邦子の恋文」

ほんのわずかな手紙と日記。それだけで伝わってしまう。誰よりも近かった二人の距離。そして、あるかなきかの亀裂。

恋人の書くラジオを聴き、書き留めるのを日課とした彼。忙しい仕事の合間、足繁く通いつめた彼女。そして彼が撮った、幾枚もの彼女のポートレート。二人が過ごした長い時間。

向田邦子の恋文 (新潮文庫)

向田邦子の恋文 (新潮文庫)

ドラマ化されたものを見ていたので、そちらの印象が強い*1。ただ、聴くのと読むのとではまた違う。文面には表れない、彼の思いつめていく精神が見えるようだ。彼を支えようとすることで、反対に彼に救われていた、彼女の心も。

*1:[http://d.hatena.ne.jp/mia-nohara/20060503/p1:title]