寅さんの結末 ~ 「男はつらいよ」
「男はつらいよ」の最期の頃の作品をまとめて観ました。第四十七作は、残念ながらビデオ屋さんに在庫なし。
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もうあまり元気のない寅さん。主人公は甥っ子の満男(吉岡秀隆)に移り、画面にもあまり登場してきません。顔色の悪さを隠すためか、ドーランを厚塗りしているのもわかってしまう。
「行け!青年!」というセリフが悲しい。もう寅さんは、自分で走っていかない、いけない。
まるで四十八回の失恋の落とし前をつけるように、満男が寅さんの恋愛を評しています。毎回毎回ふられ続けて四十八作、最後にはきちんと華を咲かせて欲しかった。
正確なセリフはメモしていないのですが、こんな満男の言葉がありました。
「おじさんが自分は幸せだと思っていても、周りの人から見たらおじさんは不幸に見える。一体どちらが本当の幸せなんだろう」
幸せって、何なのでしょう。「勝ち負け」で割り振るこの頃の風潮を見る限り、私たちは周りの人からの評価で自分の幸せを測っていがちのようです。とはいえ、他人から幸せそうに見えても、自分は暗い気持ちで生きているということもある。
宮沢賢治も『銀河鉄道の夜』のなかで「ほんたうの幸福」という言葉を使っています。そして第三次稿では、ジョバンニは「ほんたうの幸福」を見つけることを決意して電車を降りるのです。
何が幸せなのか。私たちはそれを探すために、銀河を旅しているのかもしれない。