醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

瀬戸内寂聴 「寂聴 般若心経 生きるとは」

仏教が気になる今日この頃。「釈迦」と一緒にこの本を借りてきました。日本人であればおそらく一度は聞いたことのある般若心経。でも、そのお経にどんな意味がこめられているのかは、多くの人が知らないはず。

寂聴 般若心経―生きるとは (中公文庫)

寂聴 般若心経―生きるとは (中公文庫)

釈迦 (新潮文庫)

釈迦 (新潮文庫)

この本は般若心経の中身を、懇切丁寧に噛み砕いて教えてくれます。まるで法会の場に参加しているような、寂聴さんの語り。

実は随分前に読み終わっていたので、詳しい内容はもう一度読み返してみないとちゃんと書けません……ごめんなさい。ただ、ひどく心に残ったところがありました。

 したがって、われわれの心の中には無数の煩悩がある。その中でいちばん強い煩悩、われわれが抗しがたい煩悩というのは、何だと思いますか。〔中略〕実は、惚れたはれたの煩悩がいちばん辛い。〔中略〕今言った、苦しくてしょうがない愛情のことを、「渇愛」と言います。*1

渇愛でなく、慈悲を。ああ、でも今はまだ渇愛の地獄の中に埋もれていたい。

*1:瀬戸内寂聴 『寂聴 般若心経 生きるとは』 (中公文庫) 中央公論社 1991. 10 p.110