醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

シュシュのすすめ

日がな一日図書館のカウンターにいると、ファッション誌を捲らなくてもなんとなく流行してるおしゃれがわかってきます。今は、どうも「シュシュ」をしている女の子が目立つ。

「シュシュ」ってもう随分と昔、田舎の洋品店でたくさん売ってたのを思い出します。とうの昔に忘れ去られた、いにしえのファッションだと思っていたのに。かえってその、レトロさ加減が新鮮なのかもしれません。

いろんな色のものがあるようですが、人目を惹いて圧倒的に美しいと思ったのは黒髪に真紅の組み合わせ。やわらかい白にちかい色もとてもきれいですが、こちらは黒髪と合わせると髪の色に負けてしまうような感じがします。パステルカラーのものは、明るい髪色の人に似合いそう。

そして結び方は、高い位置でポニーテイルにするよりも、肩のあたりでたおやかに結わえるのがはかなげで素敵。まるで華が咲いたよう。それも、いつ散ってしまうかもわからない危うさを感じさせるような。

確か森瑤子さんの小説だったと思います。真珠のピアスを、あえて耳たぶのふち、今にも零れ落ちてしまいそうなところにつける女性の物語がありました。キリッとしているものよりも、こわれやすそうなものの方が人をとりこにする……。

というわけでシュシュは、しおらしくはかなげにつけてほしい……というのが私の勝手なおすすめ。