醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

ワンピース

夏休み初日。海鳴でひとりラーメンから始める。柚子味の絡めそば、小瓶のビール。小町通りを歩く。手拭屋で藍染めの前掛けを買う。

今日のろくでなし猫。

アジア雑貨の店で、海へ行くためのエプロン型ワンピースを二着買う。一枚九八〇円也。

布団を干す。水着に着替えて、ワンピースを羽織って材木座海岸へ行く。もう海月がうじゃうじゃいる。海月って、「海明」と字が近いのでなんとなく親近感があって好きなのだけど、それにしたって痛い。水を掻き分けるともれなく海月にあたる。切り取り線のような刺され痕をいくつもつくって、しぶしぶ砂浜へ退散する。villa del solでジンジャエール。次に書きたいと思っている小説のメモ書き。

お盆もおわって、浜はとても空いている。海の家のおにいさんが着ていた「華金」Tシャツがなんとなく羨ましい。そう、世間は金曜日。

小腹が空いたのでやまかでカマンベールチーズと安いテーブルワインを買って帰る。少し摘む。ヒグラシ文庫で知人と待ち合わせ。レモンサワー、トマ酎。塩ドーフ、だだちゃ豆。お金にも家族にも恋人にも不自由しない人の生き甲斐について。他人の羨むものをすべて手に入れたら、そのあとの人生の意味ってなんだ? という話。

三人でかまかまヤドカリバルへ。カールスバーグ二杯、ハイボール。「経験していないことは書けないという人もいる。けれど想像で書いたことが、他所で起きている真実とそう変わらないことも多々ある。無理に経験をしようとするな」なるほど。