醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

座間味

のんびり十時くらいまで寝ている。昨日のスーパーに行って、スパムスビと軍手を買う。

送迎車で古座間味ビーチへ。パラソルとサマーベットを借りる。波打ち際ですら、泳いでいる魚の群れが見える。すぐそこまで、大きな魚たちが来ているのだ。

はじめてのシュノーケル。ゴーグルをして水に入る。顔をつけたら、目の前が竜宮城だって。興奮して過呼吸になって溺れそうになる。シュノーケルに馴れるまで浅瀬で練習。からかうように白い大きな魚がまとわりついてくる。

足が立たないところを泳ぐのは初めてだった。息継ぎで顔を上げる必要が無ければ、ただただ人間は海面に浮いて居られるのだ。初めて知った。海面を飛ぶ。海底は五メートルくらい下。慣れてきて、深いところまで潜ってみる。恐怖を忘れると、なんて海のなかは素晴らしい。面白がっているのか、並んで泳ぎにくる魚がいる。近づきすぎて、クマノミに威嚇される。

渡し船で無人島へ移動。汐の流れが早い。どこもかしこも珊瑚だらけだ。二匹のトゲチョウチョウウオに気に入られる。何処までもついてくる。手を差し出すと、とんがった口の先でつんつんと突っついてくる。浅瀬に戻ろうとしたら、懐いた猫のように慌てて追っかけてきた。

シャワーを浴びて、屋上に洗濯物を干す。寝っ転がると、すぐそばに烏がやってきた。ここの烏は「カア」とは鳴かない。

飲みに行く。かふーし堂で生ビール、もずく、ラフテー、カレイの唐揚げ、泡盛。
虎次郎で瓶ビールとたこ焼き。

島で唯一のスーパー「105ストアー」で島豆腐とスクガラスを買う。宿に戻って少しだけ飲む。