醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

生きる

「生きる」とは何ですか。

おれにとって生きるとは、書くことであり、大切な人たちと笑い合うことであり、旨い酒を呑むことであり、のんびり散歩すること。

そのどれが欠けても辛いけれど、これだけあればそれで充分でもある。

ブランドの服や鞄や靴はいらないし、宝石もいらないし、遠くへ出かけなくても毎日が旅みたいなもんだし、フルコースの料理はしょっちゅう食べてたら太るだろうし、寝るところはぼろくても狭くても問題ない。

成長すること、発展すること、昇進すること、たくさんお金を稼ぐことが、良しとされていた時代があった。いまでもそのときの空気を引きずっていて、年収がその人の価値、みたいに思われたりもする。
お金は便利なものだけれど、気をつけていないと際限なく足りなくなるものだ。うっかりすると、どれだけ稼いでもゴールは遠のくばかりになる。

毎日書くことができればいい。みんなと笑って美味しくお酒が呑めればいい。のんびり海辺や山間を散歩できればいい。そんな日々をおくるための健康を保てるだけのお金があれば充分だ。

うっかり気を抜けば、街中が消費を煽る。あれも買わなきゃこれも買わなきゃ。あくせく汗を流してフルタイムで仕事して、その分のストレスを消費で発散させる。よく働き、よく消費する。そうするとこの世界のどこかで、一部の人のところにたくさんお金が集まる。そんな繰り返しからは降りなくちゃいけない。生きることが、顔も知らないだれかの口座を膨らます為のものになっちゃいけない。

人生はもっとシンプルにできているはずだ。