醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

佐藤初女さんの「おむすび」

目覚めると痛みはなくなって、ほっとする。にんじんとじゃがいものバター炒めを軽くお腹に入れる。

ミネ君&カヨちゃん邸へ。「佐藤初女さんのおむすび」のむすび方を学ぶホームイベント。一戸建ての借家は参加者20人が入っても広々。本日の先生はユカさん。いろんなイベントで、プロの友達が代わる代わる先生になる鎌倉はなんと素敵なのだろう。

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撮影はミネくん。

米社長ことマイコさんが、「おにぎり」と「おむすび」の違いを教えてくれる。「おにぎり」はただ「握ったもの」だけれど、「おむすび」と言ったときにはもっと深い意味がある。米へのありがとう、農家さんへの感謝、食べてくれる人への愛。そんな想いや愛情を両の手で「結ぶ」もの。

初女さん流のおむすびは、けっして「握らない」。両方の手のひらの上で、ぽむぽむと米が踊る。やさしくやさしく、お米が楽しくはしゃぐように。海苔を巻いたら、ザルにひいた清潔なタオルのなかでお布団をかけるように休ませる。全体がしっとりと落ち着いてくる。一口頬張ればほろりとほどける。米が無理をしていない感じ。むすんだ人の愛を食べているみたいな感じ。

おむすびステージで、みんなで交代でむすんだ。待っている間、持ち寄ったおかずやお酒、ユカさんが用意してくれたスペシャルな料理を味わいながらゆったり呑んで、はじめてあったみんなとわいわい過ごす。ミネカヨ邸のにゃんこたちは大勢のお客さんに動揺して、固まったりロケットになったりしていた。

自分でむすんだおむすびを持って戻ってくるときの、みんなのなんてきらきらした笑顔! 「ねぇ見て見て、僕にもこんなに美味しそうに結べた!」食べ物と料理って、やっぱり幸せの根元のひとつなんだ。