龍体
買ったばかりのピアスもブレスレットも、ろくにつけないうちから壊れてしまう。 生体から溢れるエネルギーが強すぎるのだろうか。血のように燃え狂う赤と、ぎらぎらと煌めく金のエネルギー。それがおれの皮膚の下で龍のように暴れている。
酒を呷って宥め賺せようとしても上手くいかない。それどころか、酩酊のうちにおれ自身の表皮が食い破られそうだ。
胎内で眠っていたものが目を覚ましたのか。エネルギーが足らなすぎて嘆いたことは過去にもあった。呼びかけても返事の無い、おれの核心。しかし、ようやく目覚めたそれは、産まれたばかりの赤子のように泣き喚く。 まっとうな人間の面を被っているのが辛くてならない。 それを制御する方法を、おれはもうじき忘れてしまいそうだ。