醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕「自分にしか関心が無い」

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  • もう飲むまい
  • カタミの酒杯を
  • 撫でてゐる
  • 山頭火

ARGの合宿初日。午前中のうちに溜まっている仕事を片付けようと思っていたが、「この人生で自分はどこへ向かおうとしているのか」「もっとも優先順位を高くして取り込まなくてはいけないことは何か」を考え始めて手が止まる。ずっと昔に読んだ1日10分であらゆる問題がスッキリする「ひとり会議」の教科書 (Sanctuary books)なんて買ってみたりする。

世間師には、たゞ食べて寝るだけの人生しかない!

[種田山頭火 行乞記 (二) 一九三一(昭和六)年]

鎌倉駅でARGの皆と合流。なると屋+典座へ。滋味深い定食をいただく。

月の宿にチェックイン。「ARGで働くことの不安について」をお題に皆でぽつぽつと話す。iPadでメモをとる。

公共施設をつくるコンサルトして働くことの、まっとうなモチベーションを探していた。「海明ちゃんは自分のことにしか興味あらへんのに、公共の仕事なんてできるんかいな」そう言った友人の言葉がずっとひっかかっていた。確かにそうだ。おれは自分の内側にしか興味はなかった。

旅をしながら暮らし、地方の旨い酒と肴を味わう。そのこと他に高邁なモチベーションが欲しい。例えば、新しい施設ができることで、そのまちに住む人たちの人生がいくらか好転すること、だとか。それを心から願えないという自分の欠陥を他人に話すのは、特に同じ仕事を一緒にしている仲間に話すことは、素面ではとても勇気のいることだった。

「今はそれでいいんじゃないかな。その視点で仕事に携わっている野原さんがどんなものを書いていくのか、読んでみたいよ」そう肯定してもらう。なにかひとつ吹っ切れたような気がした。

普段の会議では話せない、胸に抱えている不安やモヤモヤ。いつもとは違う環境だからこそ、話せることなのかもしれない。それらひとつひとつをじっくりと聞き、アドバイスをしていく最年長の李さんは、まるでカウンセラーのようだった。このチームはまだ凸凹しているけれど、ようやくこの段階までやってきた。同じ船に乗り合わせた仲間として。

津久井へ。慌ただしくお好み焼きを焼く。笑い転げる。ビール2杯、日本酒一合。津久井玉、ショウガ玉、鶏の手羽先、鴨ネギ焼き、津久井やきそば。

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社長とヒグラシへ。ハジちゃんに紹介する。経営者同士、気が合うところがあったみたいだ。常温一合。社長を置いて、大船へ銭湯に行った組と合流。黄昏エレジーで日本酒一合。終電でバタバタと鎌倉へ戻る。