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醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

続・『われわれの館』閉鎖後、図書館司書の求人はどこで探せばいいのか

このブログで最も読まれている記事は、2014年に書いた「『われわれの館』閉鎖後、図書館司書の求人はどこで探せばいいのか」だと思う。どうやら図書館司書を目指す人向けの本でも、この記事のURLが紹介されているらしい。

mia.hateblo.jp

図書館員をめざす人へ (ライブラリーぶっくす)

図書館員をめざす人へ (ライブラリーぶっくす)

「われわれの館」とはどんなサイトだったか

「われわれの館」とは、図書館で働く人の求人情報を掲載し続けていたサイトだ。おそらく図書館関係者であれば誰でも知っている。管理人は非営利で、なんと個人で運営をしていたそうだ。サイトが開かれたのは2000年7月。以降2013年10月まで、13年以上にわたり図書館の求人情報を無償で提供し続けたのだ。

われわれの館〜図書館司書就職支援の館〜われわれの館〜図書館司書就職支援の館〜

2012年度の掲載は約4,000件。トップページのアクセス数は年間約200万件にものぼった。国立国会図書館が運営するサイト「カレントアウェアネス・ポータル」に、管理人へのインタビューが掲載されている。

E1503 - われわれの館~図書館司書就職支援の館~管理人インタビュー | カレントアウェアネス・ポータルE1503 - われわれの館~図書館司書就職支援の館~管理人インタビュー | カレントアウェアネス・ポータル

かつてこのブログでも紹介したように、図書館の求人は複数のサイトに散らばっており、それを一括で見られるのが「われわれの館」の魅力だった。このサイトさえ見ていれば、ほぼ漏れなく図書館の求人情報を得られたと思う。

最初の記事を書いたとき、おれはまだ非正規司書として働いていた(今は図書館コンサルタントという仕事をしている)。当時、ありがたいことにお給料は月給制だった。なんとか生活はできていたが、休暇を取って旅行に行くような余裕は無かった。もっと稼げる職場はないか。もしくは他の職場の給料額を根拠にして、今の職場に昇給のお願いができないか。そんな想いで、暇さえあれば「われわれの館」の最新情報を眺めていたのだ。

正規司書に挑むべし

司書の正職員としての採用は少ない。「われわれの館」管理人によると、一年に掲載される4,000件の求人情報のうち、正規職員の公募は60件にも満たなかったそうだ。

図書館の求人の多くは、貸出返却やごく簡単なレファレンス、返本や書架整理、資料の装備や修理など、資格保持者でなくてもできてしまいそうなものが多かった。たぶん、今でもそうだと思う。「家族が稼いでいるから、自分はアルバイト程度の収入で構わない」というなら、そういう業務内容の仕事に就いてもいいのかもしれない。でも、そういった業務の多くは近いうちに、機械にとって代わられるだろう。

それに、非正規司書を7年間続けたおれの経験から言うと、そういう仕事だけでは飽きてしまう。「もっとこうすればいいのに」「こんなこともできるのに」とフラストレーションばかりが溜まる。新しい提案をしようにも非正規の立場では難しい。業績を上げたところで収入が増えるとも限らない。ましてや来年、同じ仕事があるかどうかすらわからない。

だから、これから図書館で働くことを目指している人には、正規司書になることを熱烈におすすめしたい。それがどんなに狭き門であっても、まずは挑戦して欲しい。正規司書の公募は、以前にも紹介した日本図書館協会のサイトを見るのがよいと思う。Twitterで「#われわれの館」というタグを拾うという手もある。それよりももっと有効なのは、自分という存在を知ってもらうことだ。

図書館司書の求人情報を得るには

図書館の業界って案外狭い。研修会や図書館関連のイベントに参加すれば、講師を務めたりしているスーパーライブラリアンと、思うよりも簡単に知り合いになれる。誰か一人とつながれば、日本全国の有名司書と知り合うのもそう難しくない。

「いま人が足らなくて困っててさ」
「それなら、◯◯って面白い人がいたよ」
そんなふうに名前を出してもらえるようになることが、求人情報を知ることの一番の近道だ。

だからぜひ、どんどん出てきてほしい。講演会では顔の見える前のほうに座って、質疑応答の時間にはガンガン手をあげて欲しい。もしトンチンカンな質問をしてしまっても、「変なヤツがいたなぁ」と印象に残れば、それは失敗じゃない。

それでは図書館で生き生きと働いているあなたに会える日を、楽しみにしています。

mia.hateblo.jp