醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕乗り換えがうまくなる

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体に全然力が入らない。ふらふらと倒れそうになる。それでもよろよろと、今日も東京へ向かう。東京駅から都営三田線大手町駅への乗り換えがうまくなってきた。丸ビルから一度地上に出るのがコツだ。

板橋区役所の食堂でお昼。山賊焼き。そういえば昨日はろくに食事を採っていなかったことを思い出す。ベローチェで社内打ち合わせ。役所に戻って設計定例。

生きのよい鯖が一尾八銭だつた、片身は刺身、片身は塩焼にして食べた、おいしかつた、焼酎一合十一銭、水を倍加して飲んだがうまくなかつた。
たしかにアルコールに対する執着がうすらぎつゝある、酒を飲まないのでなくて飲めなくなるらしい、うれしくもあり、かなしくもあり、とはこのことだ。
捨てられて仔猫が鳴きつゞけてゐる、汝の運命のつたなきを鳴け、といふ外ない。
新聞配達の爺さんが、明日からは魚も持つてまゐりますから買うて下さいといふ、新聞と生魚!
調和しないやうで調和してゐると思ふ。

[種田山頭火 行乞記 (三) 一九三二(昭和七)年]