醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕誰かのために書かなくていい

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  • 寒ン空、
  • 別れなければならない
  • 山頭火

溜まったゴミを捨てなくてはならない。よろよろと起き出して風呂に入る。ジロウが代わりに出してくれた。

静雨庵でネギラーメン。わりとすんなり入れる。各種振込手続きと、役場での御用達。こちらもすんなりと終わったので、御成のスタバに立ち寄ってコーヒーを飲む。

夕方から出社。電車の中で、『BIG MAGIC 「夢中になる」ことからはじめよう。』を読む。

BIG MAGIC  「夢中になる」ことからはじめよう。

BIG MAGIC 「夢中になる」ことからはじめよう。

 そうそう、もうひとつ言っておきたいことがあります。自分の創造性で世界を救おうだなんて思わないでほしいのです。
 あなたの芸術にいらないのは、オリジナリティ、そして「立派な意義」です。
 たとえば、人びとの役に立つような本が書きたいと誰かが言うのを聞くたびに、私はこう思います。「お願いだからやめて」。

ガーンと、漫画みたいに頭の中で音がした。それは、ショックでありながら、解放に近い感覚だった。

「あんたが書くもんはマスターベーションに過ぎない」「自慰のために書いてなんになるの?」今まで言われてきた言葉がいくつか渦巻く。それならば、誰かの何かの救いになるようなものを書こうと思っていた。

ああ、余計なお世話だったのか。

もし、重苦しくてシリアスなテーマを扱いたいというなら、それはあなた自身を救い、心を軽くするために創作してください。私たちを救い、私たちの心を軽くするためではなく。

大義名分のために書かなくていいのか。午後の京浜東北線の中で、それは許しのように身体に浸みていった。

オフィスに到着。時間があったので、溜まっていた事務仕事を進める。打合せの後、クロスオーバーへ呑みにくり出す。鰊の塩焼きが大変美味だった。

夜、元寛居で、稀也送別句会を開く、稀也さんは、いかにも世間慣れた(世間摺れたとは違ふ)好紳士だつた、別れるのは悲しいが、それが人生だ、よく飲んでよく話した。

種田山頭火 行乞記 三八九日記

安定の中に留まれない。それは破滅的な人生だろうか? いや、人生は、冒険をしなければ意味がないと思うのだ。