〔日記〕良きものが次々にやってくる
冷たい雨。一日閉じこもってごろごろとしていようかと思っていたが、今日は午前中に佐川急便が来る。発送を待ちかねていたabrAsusの「小さい財布」が届くのだ。
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ほくほくとして受け取る。
予約していた本も届いたと知らせがある。まだ小降りの雨の中、図書館へ向かう。
早速、御成のスタバで読んでみたが、期待していたほどではなかった。飛ばし読みしつつ、30分足らずで読み切ってしまう。
そのまま書き物。途中、嬉しいメールが来る。
土井善晴の『一汁一菜でよいという提案』を読んでから、「おひつ」が気になっていた。昼に炊いたご飯を入れておけば、夜にも旨い冷や飯が食べられる……。
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でも、なかなか近所の店には、おひつなんて置いていないのだ。湘南T-SITEで見かけたが、そのときはためらい、買わずに過ぎてしまった。
忘れかけていたころに、なんと近所のスーパーに出現した。せいろの隣に鎮座するおひつさまよ。雨のなか、嬉しくて抱えて帰る。
今日は家で呑むことにする。
外食ばかりになるのは、子どもの時分の影響だろう。
毎日毎日料理をつくることに草臥れきっていた母親の、台所に立つ時の土気色の顔。それでも料理をしないといけないときは、ちびちびとウイスキーをなめていた。おれは母親が台所に立っているのが恐かった。父親が夜勤のときにだけ、母とふたりで外食に行けるのが救いだった。
だから今でも、誰かが台所に立っていると、その人がものすごく嫌な思いをしているのではないかと不安な気持ちになる。ジロウが料理の好きな人で良かった。楽しそうに何かつくっているのを見ると、人間は料理をしていても不幸ではないのだと思って、ほっとする。
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エブリスタの裏NovelJamに応募するために、テーマである「平成」について思いを巡らせていた。行き着いたのは、「オウム真理教」と「キレる17歳」だった。
阪神大震災は幼い自分にとっては「遠いところで起きた出来事」だった。でも、オウムは「すぐそこにあるかもしれない狂気」に感じられた。親や近所の人たちが、みんなそろって入信してしまうという夢を何度も見た。不況のまっただ中で青春を過ごし、狂気の影を感じて育った世代。酒鬼薔薇聖斗のことを他人事に思えない自分を恐ろしく思っていた。自分が犯罪者にならないなんて、なんで断言ができるのだろう?『絶歌』はやっぱり、まだ読めない。
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狂気のことばかり考えていたわりに、出てきた小説は能天気なものとなった。
今日は真面目に布団で寝る。
社会人として、電燈を消して寝る。……
種田山頭火 其中日記 (二)