〔日記〕なんでも自分で済ませてしまう
- 雨あがり、
- なんと草の芽が
- 出る出る
- 山頭火
実家で自分の荷物を片付けている夢を見た。
登山用のザックを背に、ビジネス用のバックパックを腹に抱え、ありったけの大事な物を持ち帰ろうとしているのだ。
「駅まで車で送るよ」と死んだはずの母が言う。
そういえば死ぬ前に最後に会って話したのは、車で高崎駅まで送ってもらったときだった。
「働いてるんだからいいのに」と言うのに、五千円札を握らされた。
母が死ぬことになる日の夢。
集中治療室にいて意識の無かったはずの母が、いつもどおり洒落た恰好をして、自ら病院の受付に行くと、退院手続きをして去っていった。
なんでも自分でさっさと済ましてしまう、とても母らしい背中だと思った。
死んでからも何度も夢に出てくる。
おれの中の後悔が母を脚色していることがある。
不幸せそうな暗い顔をした母。
でも、それはその人じゃない。嘘の映像だ。
夢の中でも、ハッキリとわかっている。
たまに「ああ、そうそう、こういう感じが母でした」という、母そのものの存在が現れることもある。
まあ、あの世でも楽しくやっているんだろう。
仕事を始める前に、やりたかったことをドバっと済ませることにした。
厚手のセーターをしまって、長らく履いていなかったスカートを出す。
良い天気だったが、だんだん春霞が漂ってきた。
今日辺り、桜道は綺麗だろうなあ。
ジロウは実家へ。
資料があまりにも重いので、持って歩きたくない。
そのまま家で仕事を始める。
3時間ちょっとパソコンに向かうが、集中力がいまいちであまりサクサクは進まない。
途中、珍しく甘い物が食べたくなり、コンビニへ出掛けた。
横断歩道の前で信号待ちをしていたら、陽気な白人のオッサンがバイクで通り過ぎながら「Hi !」と手を振っていた。
ラムレーズンのチョコレートを買う。
アルコール度数3%とのこと。
すみれ、げんげ、なのはな、いろ/\の草花が咲きはじめた。
種田山頭火 其中日記 (三)
晩酌二合、甘露の甘露だつた。
しづかな一日、小鳥が啼いて、私が考へて、そして雨。
19時頃、もうちょっとで終わりそうだけれどあきらめて、買い物に出掛ける。
でもなんとなく、呑みに立ち寄りたい気持ちになる。
ヒグラシへ。久しぶりの顔。
ジロウももうすぐ到着するらしい。
待っているうちに常温三合をするりと干してしまう。
イナダの炙り(とても美味しかった)、山椒増し増しの激辛麻婆豆腐。
ジロウと合流して、あさつきへ。
やっちゃんもだいぶ酔っ払っていた。
カツオ、しめ鯖、コップ酒。
買い物しながら帰る。