〔日記〕内向的で人見知りなのに
- 春の山をのぼる
- 何でもない山
- 山頭火
また劇団の夢を見る。
私が途中で投げ出した仕事のリカバリーがいかに大変だったか、切々とうったえられる。
ごめんごめん、もう元気になって戻って来たから大丈夫だよ。
そう答えながら、あれ、本当におれは大丈夫なんだろうか? と不安になる。
例えば、電話が掛かってくることとか。
電話もメールも、とてもとても苦手だった。
こういう状態になる前から、いつも恐ろしくてたまらなかった。
たくさん電話が掛かってきて、ひっきりなしにメールが来る日々が、また始まってしまうのだろうか?
どうやらおれに任された仕事は広報で、午後のワイドショーの取材対応がこれから始まるらしい。
目が覚めた。
淋しいけれど、ほっとしている。
「海明ちゃんって、すっごい内向的で人見知りなのに、よくコンサルとか講演とか、歌手とか役者とかやってたよねー」
と、呑み屋でかつてのバンドメンバーに言われる。
「でもさあ、俺もそうだけど、もともと内向的だと逆に振り切れて、人前にガンガン立ちたくなったりもするんだよね」
そうそう、おれ、そういうのに憧れていたんだよ。
人と話すのが苦手だった。
中学の頃なんて、2、3人の限られた友達としかまともに口がきけなかった。
休み時間は図書室に逃げ込んでいた。
学校のなかで、図書室にしか居場所を見つけられなかった自分のために、私は図書館の仕事を選んだのだと思う。
街をあるけば街のせつなさ
種田山頭火 其中日記 (三)
山へのぼれば山のさみしさ
ひとりかなしみ
ひとりなぐさむ
こんな小唄が出来るとは、私はどこまでも孤独な痴人だ!
ジロウにゴミ捨てと洗濯を任せてのんびりと起きる。
辛いラーメンをつくって食べる。
大船へ。
ルミネでワンピースを買う。
ワンピース! もうどれくらい着ていなかっただろう!
鎌倉に戻って、買い物をしながら帰る。
スルメを焼いて、明るいうちから呑み始める。
鮭の中骨缶、焼いてあるやつはいまいちだった。
また辛いラーメンをつくる。
しいたけがよく合うと思う。
アタゴオルの続きを読みながら寝る。