失敗もできないようなバカバカしいほど小さな目標から始めよう〔書評〕スティーヴン・ガイズ『小さな習慣』
習慣を身につけるのは難しい。それは、自分にあまりに過度な期待をしているからではないだろうか? 明日の自分はスーパーマンではなく、今日よりも怠け者かもしれない。
新年に立てた目標は長続きしない
著者のスティーヴン・ガイズも、長年運動を習慣にしようとして失敗し続けていた。「今年こそやるぞ!」という新年の目標は、毎年数日しか続かない。
「毎日30分運動する」という習慣は、目標として決めるときは簡単そうだ。けれど、実際にやってみようとすると「今日は寝不足だから」「天気が悪いから」「疲れているから」とと理由をつけて、結局とりかかることさえできない日が続く。そうしているうちに、「やっぱり自分は簡単な習慣も続けられないダメなヤツだ」と落ち込んでしまう。
落ち込んでしまうくらいなら、「毎日30分運動する」というできもしない目標はやめて、「毎日1回だけ腕立て伏せをする」にしてみてはどうか?
腕立て伏せをたった1回だけ? ばかばかしい! そんなことでは運動になんてならないんじゃない?
だけれど、「腕立て伏せを1回だけ」なら、どんなに疲れているときだってできる。体調がちょっと優れなくてもできる。眠る前に「まだやっていなかった!」と気づいたら、ベッドの上でだってできる。
バカバカしくなるくらい小さな目標なら習慣になる
あまりに小さくて失敗もできないような目標を続けていると、自信がついてくる。それは小さい小さい成功体験だけれど成功には変わりない。そうすると不思議なことに、「今日は2回やってみようかな」とか、「今日は腹筋もやってみようかな」と、気持ちよくレベルアップできるようになってくる。
やっぱり今日は面倒くさい! という日は、また「腕立て伏せ1回だけ」に戻って、ぱたんと眠ってしまえばいいのだ。
私の場合は、「毎日経理をする」という大それた目標はやめて、「毎日財布からレシートを取り出すところから始めた。これならどんなに怠惰な日でもできる。
「毎日財布からレシートを取り出す」に慣れてきたら、次は「経費になるものとそうでないものを分けてから封筒に入れる」にステップアップする。
最終的には「財布からレシートを出し、分別して、会計ソフトに入力してからレシートをしまう」のが毎日苦でもなくできるようになった。
あなたはどんなことを習慣にしたいだろう?
自分に合った「小さな習慣」をつくる方法や、失敗させないためのコツが本書にはつまっている。おすすめです。