夢を書き出したリストなんて全部捨ててしまったらどう?〔書評〕 トーシャ・シルバー『とんでもなく全開になれば、すべてはうまくいく』
「引き寄せの法則」に関連する本をたくさん見かけるようになった。それで一つのジャンルがつくれてしまいそうだ。望むことを思い描けばそれが現実に引き寄せられてくる……。理想をイメージして夢を繰り返しリストに書き出す。自分の夢や目標の写真を貼った「ビジョンボード」なんていうものもある。
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でも、この本の著者であるトーシャ・シルバー(Tosha Silver)は、「その山積みのリストとボードを浜辺に持っていって、全部燃やしたらどう?」*1 と言う。
無理やり引き寄せようとしないで全部おまかせしてしまおう
夢を書いたリストやビジョンボードは、確かに望みを現実化させるのに役に立つ。でも、自分が想像できる範囲の望みや夢は、案外ちっぽけなものだったりするのだ。それならば、すべてを宇宙(もしくは神、愛、空に鳥を浮かせる力……)にまかせてしまえばいいのではないだろうか。
トーシャは、神に関しては複数恋愛同時進行派(ポリアモリー)だと言う。キリストもブッダもロード・シヴァも、ガネーシャもカーリーも同じように愛している。そして自分を「とんでもなく全開」にして、神と呼ばれる力にすべてを委ねている。
誰かを心配してあげることは、かえって相手にとって害になる
本書は「examiner.com」という情報サイトで連載されたコラムをまとめたものだ。彼女自身や彼女を取り巻く人たちのエピソードがユーモラスに紹介されている。ちょっと皮肉っぽく、くすっと笑いたくなるオチの話もちらほら。
私が好きなのは「心配しないで、祝福を送ろう」というコラムだ。このコラムによると、誰かのことを心配するのは、相手に最悪なエネルギーを送っていることになるという。
「あなたを思っています」と記した黒い速達便に、ゴミやカビ、それにいくらか頭蓋骨が入っているのを想像してみるといい。
それが、心配だ。
だからそれよりは、心配が出てきたらすぐ祝福を送るようにするほうが誠実だ。*2
大切な友人が例えば大きな病気になったりしたら、心配してあたふたするのはやめようと思う。キラキラしたエネルギーを届けたいから。