空気は読むものじゃなくて吸って吐くものだ。〔書評〕コナリミサト『凪のお暇』
大島凪(おおしま・なぎ)、28歳。毎朝ヘアアイロンをあて、女子アナ風の服を着て出社する。口癖は「空気読んでこ」。愛想笑いを崩さず、面倒くさい頼まれ事も断れない。唯一の生きがいは、節約。その毎日を一言で表すと、「なんだかなぁ」。
そんな凪のただひとつの切り札は、営業部のエース、我聞慎二(がもん・しんじ)くんが彼氏であること。だけれどある日、彼が陰で凪のことをメタメタにけなしているのを聞いてしまう。
大島凪 28歳にして悟る
空気は読むものじゃなくて吸って吐くものだ
過呼吸になって会社を辞める。都心2LDKから郊外の6畳1間のアパートへ引っ越す。凪のお暇(いとま)生活が始まった。
彼氏がさらさらのストレートの髪が好きと言うから頑張っていたけれど、本当はすごいくせっ毛。女子アナ風の服はみんな捨ててしまった。今は、バラン(お寿司とかについてくる、緑色の草みたいなビニールのやつ)の柄がついたTシャツや、お餅の柄がついたパーカーを愛用。スカートも履かなくなった。
1巻の表紙はOL時代の凪。さらさらストレートヘアで、物憂い感じ。
2巻の表紙は、元カレ我聞くんに「おまえは絶対変われない」と呪い(?)をかけられている凪。
この漫画を読み始めたころ、ちょうど私も会社を辞めたのだ。とても他人事には思えない。人の顔色を見ながら必死で頑張ってきたけれど、他人からの評価を基準にしてしまうと人生は破綻する。
言いたいことはちゃんと言う。モテるとか関係なく、自分の好きな格好をする。それって、やってみれば気分爽快! なのだけれど、やるまでにすごい勇気がいる。
人生のお暇期間で、変わろうとする凪から目が離せない。
あと、ちょっとした節約小ネタが楽しみです。
無鉄砲な生活に不安を感じながらも、新しい友達もできて順風満帆に見えた凪の暮らし。
しかしそこに影が差し始める3巻。
続きが気になってしかたない。