仕事とは、他人を喜ばせて対価をもらうこと……ではない!
うつになって仕事ができなくなってから、「仕事」というもののすべてが恐ろしくてたまらなくなった。
そこに付随する責任、否応なしに差し迫る〆切。
それでも、生きていくためには「仕事」をしなきゃいけないんだと思っていた。
なんのため?
生活費を稼ぐため。
働かなくても充分食べていけるだけのお金がいつもあるとしたら?
それなら当然働かないよ。
そこまで自問自答して気づく。
私にとって「仕事」は、「やらなくてはいけない嫌なこと」になっていた。
子どもの頃に訊かれた将来の夢。
目を輝かせてなりたい「職業」の名前を言った。
お花屋さん、ケーキ屋さん、おまわりさん、学校の先生、スポーツ選手……。
「仕事」はお金を稼ぐ手段ではなく、自分がなりたい姿だった。
いつから仕事は「生活費を稼ぐため」の手段になってしまったのだろうか?
「夢だけを追っていたら食っていけないから」と仕事を選ぶ。
仕事とは、「自分が得意なこと」「誰かの代わりにやってあげられること」「他人に喜ばれることで対価をもらうこと」だと思っていた。
そして、汗を流して、辛い思いをするからこそ、お金がもらえるのだと思っていた。
大きな時代の変化の中で、ルールが変わろうとしている。
生活のために、不安のために、自分を捧げてはいけない。
仕事とは、「自分を活かすこと」だ。
自分がやりたくて仕方ない、楽しくて仕方ないことをすることで、他の人たちを、世界を楽しませることだ。
今はそんなふうに考えている。