醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕神奈川県立近代美術館 葉山でブルーノ・ムナーリを観る

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  • 一度だけ
  • 本当の恋がありまして
  • 南天の実が
  • 知っております

歌:山崎方代

昨夜も今夜も絹夜具、私にはもつたいないけれど、わざとだまつて寝させていたゞく。

種田山頭火 行乞記 北九州行乞


陰暦卯月廿二日、不正出血。

不正出血がひどくなったのは22才の時で、一日置きに産婦人科に通っていた。
予約ができず、いつも待合室で一時間は待たされるその産婦人科へ、お供のように持っていった本は高山なおみの『日々ごはん』だった。

料理家の高山さんと、その夫のスイセイさん。
日記に度々登場するスイセイさんの感じが羨ましくて、結婚願望なんてなかったけれど、そんなふうに一緒に暮らしていけるパートナーがいることが心底うらやましかった。

日々ごはん〈1〉

日々ごはん〈1〉

あれから10年が過ぎて、私の日記にはジロウが登場するようになった。

しばらく『日々ごはん』は読んでいなくて、『ココアどこ わたしはゴマだれ』を読み終わって、高山さんとスイセイさんが別々に暮らし始めたことを知る。

ココアどこ わたしはゴマだれ

ココアどこ わたしはゴマだれ

やっぱりかつて好きでよく見ていたエゾアムプリン製造所のサイトで、高山さんの新しい暮らしをのぞき見る。


ダークな夢を見て早起きした。
睡眠時間が足りていないのか、体がフワフワとしている。

ゴミ捨てに行くと、小学生男子が、朝顔だがヘチマだかを鉢で育てるためのポールと輪っかをマシンガンに見立てて、身をかがめて駆け抜けていった。
そういう男子の遊び、昔いっぱいしていたなぁ。

白湯を飲みながら、海から潮が上げてくるのと、河が海に流れ込むのとが、ちょうどぶつかり合って切り替わる瞬間を目撃した。

明日から雨みたいなのでタオルケットを洗濯する。
洗い終わったのをカゴに入れておいて、「ここに置いておくと勝手に干される魔法」をかけておく(そうするとジロウが干してくれる)。

SOU・SOUの折りたたみ傘が届いた。南天の赤い実の模様。
赤い実と、白い小さな山の花が好きなのだ。
山崎方代の歌を思い出した。

sousounetshop.jp


ジロウが起きて来たので、バスに乗って葉山を目指す。
神奈川県立近代美術館 葉山で、ブルーノ・ムナーリを観るのだ。

www.moma.pref.kanagawa.jp


モビール「役に立たない機械」のシリーズがとても好き。
子ども心をくすぐる発想に笑い転げそうになる。

ミュージアムショップで、最近気になっていて画集を借りてきた、清宮質文の絵葉書を見つける。
呼ばれていたのかもしれない。

外に出ると、刷毛で描いたような空だった。
美術館の絵の中に入ってきてしまったのかもしれない。

www.instagram.com


閉館時間ぎりぎりまで居て、そこからぷらぷらと葉山の海沿いを歩く。
途中からちょうどよくやってきたバスに乗って逗子へ。
ととら堂で本を買う。

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鎌倉に戻って、との山へ。
焼き鶏を堪能して、ヒグラシ、釈迦と巡る。

買い物をしながら帰る。
電池が切れたみたいにぱったりと眠ってしまう。