醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕遊びじゃないこと

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  • 降つたり照つたり
  • 何事もなくて暮れ
  • 山頭火

梅雨らしく降つたり晴れたりする、やむなく行乞は見合せる、明日の米がないけれど、明日は明日の事だ、明日の事は明日に任しておけ!
午後は草取、取らずにはゐられない草だけ取る、雑草、雑草、雑草風景は悪くない、其中庵にふさはしい。

種田山頭火 行乞記 伊佐行乞


陰暦皐月十五日、つまり満月。雨のち晴れ。
月経四日目出血多、怠さは抜けてきた。

久しぶりに6時前に起きた。
朝方降った雨がベランダの砂埃を洗い流していった。

今日も風は強い。
こんなに涼しい潮風が絶えず吹き続けているのに、どうして冷房など必要だろうか。
鎌倉に越してきてから、クーラーのある部屋に住んでいない。
真夏でも風が強い日は、日陰にいると鳥肌が立つほど涼やかだ。

東京で暮らしていた頃は、自然の音のBGMをかけていないと眠れなかった。
今はまったくそんな必要はなく、鳥はさえずり虫は鳴き、波の打ち寄せる音が微かに聞こえてくる。
音楽さえ必要ない。香も不要かもしれない。


芝居の準備をしている夢を見た。
今回の劇場は、舟の甲板の上。
波しぶきがかかるから、濡れて寒いんだそうだ。
着替えを多めに準備した。

出航前の楽屋で、衣装に着替えようとしている。
更衣室へ向かおうとしているのだけれど、前に進まない。
「歩くのには足を動かさなくっちゃあ」
と、自分の声のようなものが耳元で聞こえて、目が覚めた。


こっちはこんなに大変なのに、おまえだけ楽しそうにしやがって、と言われるたびに、「私だって遊びでやってるんじゃないんだ、こっちだって大変なんだぜ」と腹を立てていた。
でも、「遊びじゃないこと」なんて、この世でやる必要は無いんだと思う。
アンタもアタシも、大変なことをやるのが嫌なら、さっさとやめればよかったのだ。


アメブロのデザイン周りの設定をしこしことやっていたら、何にも書いていないのに読者登録をしてくださる方が何人も現れた。
まだひとつも記事が無いのにだよ? ありがたいことだ。

CSSとかいじり始めたら火が付いて、こっちのブログにも手をつける。
まだ途中だけれど、aboutページとサイドバーを整えた。
熱中していてあっという間に時間が経つ。


ジロウと一緒に家を出て、駅前で解散して買い物に行く。
100円均一で高級台ふきんを買う。
食指が動くような惣菜が見つからない。
でも、まだ呑みに行くには体調が不安である。
とりあえず、寿司を買って帰る。

夏をテーマにしたらしい、藻塩と生レモンがそえられた寿司折りは、結局物足りなくて醤油をつけて食べてしまった。
日本酒をするすると呑みながら、『聖☆おにいさん』の続きを読む。

寝ようと思って電気を消すと、煌々と満月の光が差し込んできた。
今宵は良い月である。