醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕勝手に線を引いて所有したつもりになっている

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  • 腹いつぱいの
  • 月が出てゐる
  • 山頭火

会談一時間ばかり、そこを出てから(結城孫三郎のあやつり人形見物はやめにして)やたらに歩きまはつた、ネオンサインのうつくしさ、デパートのさわがしさ、飲んだり食べたりのいそがしさ。
十時頃、駅附近で西と東とに別れた、黎々火さんはあたゝかい家庭へ、私はうるさい安宿の二階へ。

種田山頭火 行乞記 大田から下関


文月廿三日、雨のち曇り。

先祖代々の土地や家にはなんの興味もない。
大地は所詮、だれのものでもないのだ。
人間のルールで、勝手に線を引いて所有したつもりになっている。

自分が持てるものなんて何ひとつない。

そして、

自分が世界のすべてである。


6時に起きて身支度をする。
7時過ぎにジロウを起こす。

小雨降る中、久里浜へ。
京急のポンパドールで朝食を取り、花を買って実家へ向かう。
ジロウの子どもたちと合流して、正業寺へ。

義母さんの四十九日法要。
雨の中、お経がしみ通っていく。
納骨のタイミングで、ぱたりとやんだ。

第二ひさご寿司で食事。
子どもたちと一緒に実家に戻る。
しばし、古いアルバムをめくりながらくつろぐ。

子どもたちと呑みに行くジロウを見送り、鎌倉へ戻る。
ヒグラシへ。
まゆちゃんのフライパン料理が冴え渡っている。

冷酒三合、カツオ刺身、スルメイカの肝合え。
ジロウが戻って来て、焼きそば。

買い物して帰る。
昼に寿司を食べたけれど、もう一度スーパーのお寿司。
「いくらがなくて可哀想だったから」とジロウが言う。
ちょっと日本酒をひっかけて寝る。