〔日記〕記念艦「三笠」を入場料600円で遊び尽くす(横須賀観光)
- 何もかも
- 捨てゝしまはう
- 酒杯の
- 酒がこぼれる
- 山頭火
飲みすごしても、層雲を借覧して、句稿整理することは忘れなかつた、句は酒と共に私の生命の糧である。
種田山頭火 行乞記 広島・尾道
葉月三日、晴れのち曇り。
夢の中で、昔の恋人に怒っていた。
「おれの生活にいちいち口を挟まないでくれ」
と、泣きながら怒鳴っていた。
そんなふうに怒鳴ったことも、喧嘩したことも、そういえば一度もなかったなぁ。
おれは全部、その男の言う通りにしたかったんだと思う。
やってみたかった芝居は諦め、公務員採用試験を受けた。まっとうな仕事で稼いで、それまで過酷な仕事をしてきたという男を食わしてやりたかった。
でも結局、公務員採用試験はどこも受からなかった。自分に本気でやる気がなかったからだ。
男のために、もしくは仕事のために、気に入られるために、自分を捨てて生きてきた。おれはそういう生き方はもうやめる。
わりと早く起きる。破滅的に呑んだわりには二日酔いではない。
昨日の残り飯と残り味噌汁でねこまんまをつくる。オリーブオイルとパルメザンチーズをかけて、ちょっと洋風にした。
横須賀へ。法務局で手続きをし、ポートマーケットの「なぶら」で海鮮丼。地元の魚がたっぷりのっていたが、これならあさつきで刺身を食べた方が旨いと思った。
ぷらぷら歩いて三笠公園へ。記念艦「三笠」を見学する。
入場料600円はちょっと高いんじゃないかと思ったが、そんなことはなかった。
バルチック艦隊との海戦を描いたパノラマ模型は見飽きないし、360°リアルに見渡せる「VR日本海海戦」は、臨場感あって思わず見えるものに手を伸ばして触れたくなった。現実世界も、きっと同じようにバーチャルリアリティなんだろうと思う。
さらに「日本海海戦操艦シミュレーター」で面舵いっぱいきって遊ぶ。ゲームの中で自分のとった航路と、実際の海戦の航路が比較できて面白い。
堪能して満足し、またぷらぷらとイオンまで歩く。財布を買うジロウにつきあってしばし散策。とくに買いたいものも観たい映画もなく、汐入まで歩いて「一福」へ。
「たられば炒めと、もしや炒め、どっちがいい?」
とジロウが言う。
たられば……ではなく、にられば炒めと明太子を注文する。八海山。ジロウは剣菱。
鎌倉に戻って釈迦へ。酔鯨、雪の茅舎。肉詰めいなりと、生姜ライスいなりをいただく。
家に帰って、ポートマーケットで買った横須賀海軍カレーうどんのカップヌードルをひとくちいただく。魚系の出汁がしっかりきいていて、なかなか美味であった。