〔日記〕三崎めぐりのバスに乗りたい
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私はたしかにこの旅で一皮脱いだ。
種田山頭火 行乞記 広島・尾道
慾望をほしいまゝにするなかれ、貪る心を放下せよ。
葉月十日、晴れ。これが記念すべき、千本目の記事。
なんの努力もなく出来てしまうので、自分では当たり前だと思っているけれど他の人から見たらすごいこと。それが使命ってもんらしい。
文章を書くのは好きだし、ほっとけばずっと書いているだろうけれど、書くのには努力がいる。
努力の必要がまったくなく自然にできることとは、私の場合は「本を読むこと」かもしれない。読書はもはや趣味ではない。食べなくても死なないかもしれないが、読めなければ死ぬかもしれない、というくらい、読書は生理的な欲求なのだ。
「三崎めぐりのバスに乗りたい」とジロウが突然言い出したので出かける。
新逗子駅の「meets.新逗子ニート店」という100円均一で買い物。探していたアームバンドを見つける。アームではなく、くるぶしにつける。ワイドパンツをはいたとき、トイレで床に着かないようにするたえのアイテムなのだ。ジロウは、水没したiPhoneを乾かすための乾燥剤を購入。
浪子そばで天ぷら蕎麦とミニカレー。三浦半島1DAYきっぷを買う。ホームには都営大江戸線の車両がやってきた。「珍しい」と言ってジロウが激写。新しい車両であるようだ。
金沢八景で乗り換えて、三浦海岸で降りる。バスの出発時間まで30分ほどあったので、海防陣屋跡などを散策する。三浦大根を脇差しにし、ラーメンどんぶりの兜をかぶったマグロ、三浦ツナ之介というゆるキャラにおののく。
三崎東岡行きのバスに乗る。金田漁港などを車窓に眺めつつ、剱埼を目指す。
ビールを買って海岸で呑む予定だったらしいが、売店は見事にみな閉店していた。三浦大根が整然と植えられた畑の畔をずんずんと歩く。
途中、公衆トイレがあった。洋式に改装されているもののボットン便所で、いろんな虫が大量に発生していてとても用を足せる雰囲気ではなかった……。
剱埼灯台へ。手前の電波塔のほうがやけに目立つ。
光を拡張させるためのガラス?部分が綺麗だった。緑と白の光を送るらしい。
海岸に降りる。すごい岩場で歩きづらいのに、観光と思われる先客がいた。蚊に刺されまくる。
バス停までてっくらもっくら歩いて戻る。本数は少ないのに、ちょうど良いタイミングでバスがやってきた。三崎港を目指す。三崎港のバス停で、停まったバスの運転手に「このバスは『みさきこう』へ行きますか?」と訊いている人がいた。確かに、「三崎口」も「三崎港」も、音読みすると「みさきこう」だからややこしい。
挑戦しようと思っていたくろば亭はお休み。前回立ち寄った磯は満席。やきとり寿々木にする。冷酒、日本酒、焼き鳥、アジフライ。