〔日記〕文庫本の中に壮大なSFが詰まっているように
- 波音遠くなり
- 近くなり
- 余命いくばくぞ
- 山頭火
このあたりの山も海もうつくしい、水も悪くない、ほんの少しの塩分を含んでゐるらしい、私のやうな他郷のものにはそれが解るけれど、地の人々には解らないさうだ、生れてから飲みなれた水の味はあまり飲みなれて解らないものらしい、これも興味のある事実である。
種田山頭火 行乞記 (一)
A6サイズのノートとスケッチブックを使い分けていたけれど、大きなスケッチブックはそんなに必要ないのかもしれない。見開きA5のその中で世界は広がる。文庫本の中に壮大なSFが詰まっているかのように。
午前中はぐだぐだと、布団で『巨人たちの星』を読んだ。
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シリーズ1作目の『星を継ぐもの』より、キャラクターの性格が濃く出てきている。その頑固さにイラッとするけど、なんか憎めないダンチェッカー氏だとか。
- 作者: ジェイムズ・P・ホーガン,池央耿
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昼に、ジロウが買ってきた寿がきやの「赤から監修カップ赤からきしめん」を食べる。
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ぱっとしない味だった。そもそも、名古屋っぽい味付けがあまり好きではないのかもしれない。口直しに蜜柑をついばむ。
図書館で借りてきていたアナイス・ニンの『小鳥たち』を読む。官能的。
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夕方に起き出して洗濯をする。まだ空は穏やかで日も差している。嵐の前の静けさ、ってやつだ。
日記を途中まで書きかけて、いそいそと呑みに出掛ける。
やっとひら乃に入れた。いつも変な天気の日にくる客だ、と店主は思っているだろう。熱燗、樽酒、ヤゲン、鶏皮、つくね、シロ、ささみわさび。
ヒグラシへ。今日はひとみさんの最終日。まるで三遊亭のような面子だった。
嵐の前に無事帰り着く。暴風は寝てからやってきた。停電にもなったらしいけれど、まったく気がつかなかった。