醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕宇宙とKindleと湯船とが

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  • あかつきの湯が
  • 私ひとりを
  • あたゝめてくれる
  • 山頭火

酒はたしかに私を世間的には蹉跌せしめたが、人間的には疑ひもなく生かしてくれた、私は今やうやく酒の繋縛から解脱しつゝある、私の最後の本格が出現しつゝあるのである、呪ふべき酒ではあつたが、同時に祝すべき酒でもあつたのだ、生死の外に涅槃なく、煩悩の外に菩提はない。

種田山頭火 行乞記 (一)


神無月二日、雨。

二日酔いで目覚める。でもそれは、ここのところの体調の悪さとは違い、勢いがついてしまってはじけた感じ。エネルギーがどひゃどひゃと出ていて、そわそわが止まらない。走り出したいくらいの高揚感だ。

本も一冊に集中して読むのではなくて、いつも以上にどんどん広がっていく感じ。この本のこの言葉が別の本の別のページを呼び、どんどん広がっていく。机が本とガジェットでいっぱいになる。

「放っておくとインスタントのしか食べないから」と、ジロウが生麺のラーメンをつくってくれる。ほうれん草と豚肉が入っていた。

プリミ恥部こと白井剛史の『愛を味方にする生き方』を風呂で、防水の新Kindleで読む。宇宙とKindleと湯船とが繋がってトランスっぽい感じ。

愛を味方にする生き方 人生があがっていく宇宙マッサージ

愛を味方にする生き方 人生があがっていく宇宙マッサージ

日記を書き始めたけれどこれも一点集中にはならず、興味や創作意欲がボワボワと広がっていく。そんなことをしているうちに新しいサイトを2つも作ってしまったりだとか。

これまで仕事をするときは、ひとつのことにがっつり集中しないとダメなのだと思っていたのだけれど、そんなことは無いみたい。ふらふらふらふらと興味は移っていくのに、気がつけば膨大な時間フロー状態が保たれていて、どんどん何か新しいものを創り出している。

とはいえ、脱線ばかりしてお腹が空いてきたので日記を書き上げた。


雨が凄いので外出を断念し、家にあるもので呑み始める。ジロウが漬けておいてくれたイクラを丼にする。ほうれん草と豚肉のソテー(同じ物を何度も食べたくなる)。

ほどよく酔っ払って、久しぶりにギターなぞ引っ張り出してきて歌う。

布団の中で『ライフ イズ ストレンジ』を始める。

すごくよくできたゲーム。そのまま映画みたいだ。これが無料でいいのだろうかと思いながら、しばらく夜更かしして1時過ぎに寝る。