醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕「金の猛者」だったらかっこよくない?

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  • うしろすがたに
  • ネオンサインの
  • 更けてあかるく
  • 山頭火

あゝ五月と微笑したい。

種田山頭火 其中日記 (八)



弥生廿七日、令和元年の幕開け。曇りのち雨。

衣替えをしようと衣装ケースをひっくり返したら、やたらと同じ服ばかり買っていたことがわかった。カーキのパンツが6本、紺のタートルネックが6枚、麻のトップスが6枚。服を選ぶ余裕なんてなかったんだな。毎日同じ格好をしていた。

ワンピースも似たような柄ばかりなんだが、その上また買うの? とちょっとためらう。まあ、いいか。気軽に旅に出られるような服を集めておこう。

7時14分に起きる。風呂で本を読む。読んだ本は下記の通り。

入浴時間は1時間13分51秒だった。

めでたくも令和の年明けなので、真っ赤なワンピースを着て天照大神を気取ることとする。ピアスは金。

昼はタロウに行ったが開いていない。どうやら、ランチタイムは土日のみの営業に変わったらしい。スパイスハウスぺぺへ行く。マサラライス。ジロウはメキシカンライス。

ぷらぷら歩いて銭洗弁天を目指す。後ろで、観光のおにいちゃんたちが「金の亡者が行く神社なんだぜー?」とひやかしている。金の亡者……だと哀れだけれど、「金の猛者」だったらかっこよくない? 金を自由自在に操る勇者みたいで、さ。

銭洗弁天はすごい人だった。本尊にお参りするのに、鳥居の向こうまで行列ができている。いつもなら人の来ない上之水神社(我が家では「上のひと」と呼んでいる)も行列である。ゆっくりお話できなさそうなので、遠くから柏手を打ってご挨拶する。

ひもが切れてしまった鈴のお守り、新しいのを買い求める。一万円札を出したら困った顔をされる。どうも今日は、神様は忙しいらしい。早々に引き上げる。そういえば、朝から体調もいまひとつだったのだ。「またあらためて来ますからね」と神様に挨拶する。

もやい工藝をのぞく。沖縄のやちむん展をやっていた。こちらも子連れが多くて慌ただしいので、早々に引き上げる。

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鎌倉歴史文化交流館でものぞこうと思ったら、なんとゴールデンウィーク中は休館だった。日曜祝日が休みらしい。それでよいのだろうか……。

結局いつも通りに、御成のスターバックスへ。混んではいるけれど、落ち着いて座れました。ありがたや。

日記を書く。雨が降ってきた。藤の花を濡らしている。

島森書店でノートを買う。東急でも買い物をして、いったん帰宅する。サイキックのことをちょっと学ぶ。

雨でジロウは出掛ける気がしないそうなので、一人で呑みに繰り出すことにする。ヒグラシ文庫へ。菊水常温3合、カツオ漬け、浅漬け。

観光のお客さんの「アジサイ」のイントネーションが北関東なまりだったので耳をそばだてる。茨城出身なのだそうだ。仲良くなって、帰りがけには両手で握手してもらった。

また今日も、若い女史に上から目線でアドバイスしようとするオッサンを目撃して腹を立てる。「女だったら、カカトくらいすべすべにしとかないと!」なんて言うので、「カカトをすべすべに保つのがどれだけ大変かわかってんのか、ゴォラァ」(実際にはゴォラァまでは言わなかったけれど、気分は巻き舌)とすごむ。早々に「他の店で呑むわ」と出て行ってしまったので、これは釈迦に行くんだな、では釈迦へ説教の続きをしに行かねば! と気合いを追いかけたが、違うお店に行かれたようだった。残念。

これ以上呑んだら明日残るのはわかっていたけれど、一ノ蔵をいただいて鶏レバーを堪能した。パンちゃんの安定感が素晴らしかった。

ごきげんで、最大音量でシャンソンなぞ歌いながら帰宅(近所迷惑)。23時30分に寝る。