〔日記〕こんなに面白いのに、なんてもったいない
- 水音をさぐる
- 山頭火
一人一室一燈はうれしい、一杯ひつかけて、ぐつすりと寝た。
種田山頭火 旅日記
2年前の5月11日は、新しくなったばかりの須賀川市の庁舎へ。いつも打ち合わせする役所のみなさんが見慣れない光景の中に立っているのは、インスタレーションみたいだった。
— 野原 海明 (@mianohara) May 13, 2019
〔日記〕夢のよう - 醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌 https://t.co/SRHCQtbq6i
去年の5月11日は、「カツオノエボシ色」のギョサンを履く。
— 野原 海明 (@mianohara) May 13, 2019
〔日記〕「何にでも牛乳を注ぐ女」から『びじゅチューン!』の動画にはまる - 醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌 https://t.co/UIYvGK8WDH
卯月七日、晴れ。
「高校では環境問題について学んで来ましたが、自分が研究者になるのではなく、研究者の専門的な言葉をわかりやすく噛み砕いて、物語にして伝えたいんです」
大阪芸術大学のオープンキャンパスに行ったとき、文芸科の教授にそう志望動機を語ったら、「ぷっ」と吹き出された。
「あなたね、文学とは、そういうものではないのですよ」
それから、小説とは何かについて、悩み続けていた。純文学を書かなきゃ小説家として認められないのだろうか……と思っていた。寓話でもエンタメでもラノベでもない、これまでにない小説を! なんて意気込んでみたりして。エンタメなんて書いたら負けだど、変なプライドで思っていた。
いや、でも、いいんじゃないだろうか、もう何万回も書き尽くされてきたようなエンタメを書いたって。私は純文学作家になりたいという変なプライドを捨てて、ひたすらストーリーテラーに身をてせばいいんじゃないか。
7時31分に起きる。風呂で『パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ』を読もうかどうしようか悩む。
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今日は午前中からアフリカンダンスのクラスだ。サクッと風呂を出て支度をして、江ノ電に乗って江ノ島駅へ。片瀬公民館でレッスン。今日のリズムは「ヤママ」。エビみたいに後ろに3回飛んで下がるのが気持ちいい。
散々運動したのに、さらに龍口寺の長い階段を昇って仏舎利塔へ。お釈迦様へご挨拶。導くように、カラスがすぐそばの手すりに舞い降りて、小首をかしげてからまた飛び立った。ぐるりと塔の裏側にまわると、遠くの山々が霞の中に浮かんでいて、生きながら極楽にいるようだった。素敵な風景を見せてくれたことをお釈迦様にお礼する。
五重塔を眺めて下山。洲鼻通りのらーめん晴れる屋で遅めのお昼。ハードなとんこつっぽいらーめんをいただく。ニンニク多めだけれど、さらに増し増しにして。
江ノ島へ。たぶんこれ以上階段を昇るとへたると判断して、初めて渡し船に乗って岩屋を目指す。よく晴れていて、潮風が気持ちいい。隣の外国人のカップルは、「アリガトウゴザイマス」の発音を練習しているようだ。
ちょうど引き潮。岩場に取り残された、小さな海をのぞき込みながら散策する。
今日は岩屋は無料で入れるらしい。洞窟の脇にたくさん石仏が並んでいるのだけれど、足を止める人は少ない。こんなに面白いのに、なんてもったいない。
江島神社発祥の地で、弁天様にご挨拶をする。洞窟を出て、三女神のお社を、裏打ちみたいにいちばん上のお姉さんから順にご挨拶。奥津宮の多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)さま、中津宮の市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)さま、辺津宮の田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)さま。
江の島大師にも初めて立ち寄った。赤不動様にご挨拶。さらに八角堂の奉安殿で、妙音弁財天さまにもご挨拶。八臂弁財天さまは、今、トーハク(東京国立博物館)にお出かけ中なんだそうだ。
もう足がガックガクである。へろへろと鎌倉にもどり、とのやまへ。越の誉、蛸刺身、ツクネ、トリ、ハツ。ジロウと途中解散してヒグラシ文庫へ。わいわい話をして、よろよろと帰る。途中、スーパーで谷中生姜を買う。22時37分に寝る。