醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕南紀白浜空港を目指す

f:id:mia-nohara:20190703143624j:plain

  • 何でこんなに
  • さみしい風ふく
  • 山頭火

彼――彼は彼女の子であつて私の子ではない――から、うれしくもさみしい返事がきた、子でなくて子である子、父であつて父でない父、あゝ。

種田山頭火 行乞記 (三)

皐月廿九日、雨のち曇り。

私の前に出現したものは、すべて私自身が創り出したものであると認めます。
あなたの中にある光を見せて下さい。
ありがとう、愛しています。

5時半に起きる。荷造りして羽田空港へ。第1ターミナルにはあんまり来ないから新鮮だ。

JALに乗って南紀白浜空港を目指す。すごく小さい機体にはミニオンズが描かれていた。ドリンクサービスの紙コップもミニオンだ。

この厚い雲のしたに、みんながいるのだね。

f:id:mia-nohara:20190705152324j:plain

「視界不良のため、着陸できない場合は羽田へ引き返します」と言われていたのでハラハラしたけど、無事着陸。タクシーで南方熊楠記念館を目指す。タクシーの運ちゃんはものすごく博学で、マニアックな熊楠の話を聞かせてくれる。観光地のタクシー、すごいぞ。

雨の降るなか、海の美しさに見惚れつつ到着。しばらく一人で館内を散策。その後、館長から熱い解説を聞く。

f:id:mia-nohara:20190705152652j:plain

館内は写真撮影NGだけど、この南方熊楠のパネルのみOK。よく見ると、浴衣を裏表逆に着ている。無頓着だ。

宿は「ホテル花てまり」。客室からはこの絶景。晴れていたら、海水浴をしたかった……。

f:id:mia-nohara:20190702073037j:plain

館長が教えてくれた呑み屋、長久酒場へ。

f:id:mia-nohara:20190705153619j:plain

ホテルに囲まれている……!

f:id:mia-nohara:20190705153209j:plain

紀伊国屋文左衛門の純米はすっきりしたお酒で、結構好み。名物はウツボらしい……。

たまたま隣り合わせた白浜町の議員さんたちと、なぜか観光と図書館と人生についての話題で熱く盛り上がる。

f:id:mia-nohara:20190705153459j:plain

地ビールを教えていただいた。

宿に戻る。静かだ。潮騒しか聞こえない。

吉本ばなな『吹上奇譚 第一話 ミミとこだち』を読みつつ、23時45分に寝る。