醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕惜しみなく使える香が欲しくなる

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  • お祭ちかい
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  • 山頭火

あれやこれやと考へまはしてゐるうちに、すこしセンチになつた、そのためでもなからうが、――クシとブトウ!

種田山頭火 行乞記 (三)

葉月十三日、晴れのち曇り。

神代の夢を見た。神代……といっても、人間の体が三次元のそれよりも自由が利くというくらいで、どろどろとした欲望や人間臭さはある。衣服は古来の神々を思わせる感じだけれど、もっと質素なもの。

私は何やら商社の下っ端であるらしい。商社のボスは国つ神。異様に背が高く、色白で筋肉質な体つき。やや長い髪に眼鏡、いつもどこか冷たい表情をしているさっぱりとした美形だ。

副長は彼の弟? 親友? 背が高く筋肉質なところを除けば似ていないから、血縁ではないのかもしれない。短い髪、彫の浅い顔はボスのように美しくはない。いつもわりと怒っている。私はとくに、理不尽に怒りをぶつけられるから、気に食わないと思っていた。

天つ神の所有する海上の木造建築の一角を借りて、なにやら出店する計画らしい。ボスは難しい顔をして図面や企画書を見ている。副長が自ら交渉に出掛けることになった。重役の誰かを連れて行くのだとばかり思っていたら、私が使命される。私は一介の眷属ですよ? ただのアルバイトみたいなものなのに。

天つ神は年配の女性だった。羽衣のようなものを着ている。柔らかな人当たりだが、油断してはならない。交渉はまとまったが、罠でもあった。副長が私を逃がす為に犠牲になった。霧散して人柱として取り込まれようとする副長を見て、彼が私に芯から惚れ込んでいることにようやく気づいた。理不尽に叱り飛ばしていたのは、素直になれない小学生男子みたいな反応だったのだ。

気づいた瞬間、私は彼をたまらなく愛しく想った。あんなに嫌なやつだと思っていたのに。絶対に私が助けてみせる。なあに、戦線に立たない上つ神よりも、眷属の私のほうが実戦経験は豊富なのだ。

……と思いつつ、7時20分に目が覚める。睡眠効率86%。風呂で白井剛史『地球の新しい愛し方―あるだけでLOVEを感じられる本 』を読む。入浴時間は1時間7分37秒だった。

サイキックリーディングの動画を見てコメントを書く。昼は「かかん」の麻婆豆腐定食。

惜しみなく使える香が欲しくなり、鬼頭天薫堂で「鎌倉五山」の線香を買う。島森書店に寄って、シールやマスキングテープを見てみたが、心惹かれるものはなかった。

帰宅する。ムーンプランナーのマガジンが届いていた。嬉しい。

Facebookページのカバー写真を動画にしてみようと思ったけど、サイズがちょうどいいのがなく断念する。

日記を書く。

依頼されている原稿を書く。1時間くらい。これで完成のはず。明日読み直してからお送りしよう。

アメブロの記事を書く。こちらも一日寝かせてから公開しようと置いておく。

嶋田学さんの本が出るそうだ! 楽しみ。嶋田さんへは、図書館司書のキャリアアップについて取材したいという野望がある。

18時40分に切り上げ。呑みに出ようと歩き始めたら、すでに大船の鞠屋で呑んできたというジロウとすれ違い、バトンタッチする。

ヒグラシ文庫へ。今日は聖子さん。菊水冷酒2合、マグロ中落ち、鮭の幽庵焼き。釈迦へ移動して日本酒1合、冷製茶碗蒸し(挽肉がたくさん入っていて洋風で美味)、「どりゃぁー!」こと、ドリア。

帰宅するとジロウがギターを弾いていた。シャワーを浴びながら、半狂乱になる。家で何かの音がしているのがどうにもダメなのだ。一番嫌なのはテレビ、次がラジオ。音楽も基本的にダメ。ミュージシャンとは一緒に暮らせないな。いや、そもそも人間と一緒に暮らせないのかもしれない。

風呂場で叫んで、トイレのドアに3回ほど頭を打ち付けて、ジロウになだめられてようやくおさまる。23時25分に寝る。