醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕体の欲望に降参する生き方にしようと決めたのだ

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  • 日本晴れの洗濯で
  • すぐ乾く
  • 山頭火

さみしいから(或る日はアルコールでまぎらすけれど)あてもなくあちこちあるきまはる、藁麦畑、藷畑、墓場、大根畑、家、人。

種田山頭火 其中日記 (一)

長月十二日、晴れのち曇り。

本当に私は、鎌倉を出て行けるのだろうか。

たった独りで?
家族よりも家族みたいな人たちが住む、この町を離れて?

6時12分に起きる。遅く寝たのにわりとすっきりと目が覚めた。飲み慣れないビールが体にまだ残っている感じはするが。睡眠効率は76%、睡眠時間は6時間26分。

珍しいことに、ばっちり予定通りに生理が始まった。今回は不正出血もなかった。

風呂を出て洗濯まで済ませたら、唐突に一昨日買っておいたチーズを食べたくなる。チーズを食べるのなら、ワインが飲みたくなる。えっ、まだ9時を過ぎたばかりなのに、本当に?

いつもならそういう欲望にフタをして、「よしよし、仕事を終えてから、夕方にね」と言い聞かせてしまうのだけれど、もう体の欲望に降参する生き方にしようと決めたのだ。体の欲望には、頭の理性で「やめておこうね」ととめるのじゃなく、「うんうん、いいよ」と言ってあげられるようにしていくのだ。

罪悪感を感じつつ、コンビニで赤ワインと明太子パスタを買う。朝っぱらからパスタを温めてくれたコンビニのおにいさんは、不思議そうな顔をしてお釣りを手渡した。

そんなわけで朝から赤ワイン。安田弘之『ちひろ』の10年後の作品、『ちひろさん』を1巻から9巻までじっくり堪能する。ところどころ泣く。至福。

15時過ぎまでちびちびと。赤ワインはボトル一本空けた。チーズとポテチも完食。しばし昼寝。

ちひろさんの生きざまを読みながら、私もどう生きるか考えていた。親しい場所ができると、そこを捨てたい衝動にかられるちひろさん。引越の荷造りまでして、自分自身にどうしたいか問いかける。

最初の衝動では、ちひろさんは思い留まった。私も、まずは思い留まることにする。

ありがとう、今、この漫画を読むべきタイミングだったんだね。


アルコールが抜けたのを見計らって、夕方から買い物に出掛ける。石井ゆかりさんの『月で読む あしたの星占い』が欲しかったのだ。

月で読む あしたの星占い(すみれ書房)

月で読む あしたの星占い(すみれ書房)

東急の本屋でゲット。単一電池を買おうと思っていたが、どこへ行っても完全に品切れだった。トイレットペーパーは備えた。ついでにキッチンのスポンジ、浴槽洗いのスポンジを買う。いいなと思っていた、ブラウンの色つきリップクリームも。

帰宅して、18時47分からおもむろに机に向かう。台風による停電に備えて、家にある充電器を満タンにしておく。20時まで作業をし、なんとなくお腹が空いてきたので、昨日の昼に炊いた飯をせいろで蒸し返す。たまごかけご飯と、ノリと麩の味噌汁、番茶。

蒲団でジェーン・ロバーツ『セス・ブック 個人的現実の本質 ― 日々の問題を解決し、人生を豊かにするための 具体的で実践的なテクニック』を読む。ちょうど、記録的な熱帯低気圧によって著者が洪水に出会うくだり。読んでいる私のもとには、台風19号が迫っている。ここもまた、洪水になってもおかしくはない。時が重なっている……。

遅くに番茶を飲んだせいか寝付けない。なんどもトイレに立つ。Apple Watchの記録では23時15分に就寝ということになっているが、結局2時過ぎまでごろごろしつつも眠れなかった(昼間寝すぎ、という話もある)。