醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕大晦日の夜に、独りで呑んでいる妻帯者ふたりと隣り合わせる私(人妻)

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  • 昭和九年も
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  • 山頭火

昭和九年、一九三四年、私の五十三才の歳もいよ/\今日限りである。……
まことにおだやかな年の暮なるかな。

種田山頭火 其中日記 (七)

師走六日、晴れ。

男性って、なんとなく年下の女性に対して、プロデューサーっぽく振る舞いたくなるものなのかもしれないな。ライターとして私を売り出そうとしてくれる人にちょいちょい出会うのだけど、ごめん、私、ライター業は縮小していこうと思っているんだよ。

8時19分に起きる。睡眠効率88%、睡眠時間は10時間4分。

昨夜熱を出したジロウはまだぐったりとしている。

大晦日はランチ難民だ。ぐるぐる歩き回って、紅虎餃子房に入った。昨夜の食べ合わせが悪かったのか、単なる呑み過ぎか、胃がまだもっさりとしている。エビ入りワンタン麺で腹を温める。

チェーン店の紅虎餃子房だけど、常連のおじさんがいるらしい。中国人のフロアスタッフと仲良く話している。
「いつも持って来てる本は図書館で借りるアルか?」
「いや、買うんだよぉ」
「読み終わったら、ネットで売るアルか?」
「そうだねぇ、古本屋で売るかなぁ。10分の1くらいの値段にしかならないけどねぇ。はっはっは」
「10分の1!」

なんか、いいものを見た気がした。

島森書店で2020年の経理用ファイルを新調する。島森は年末年始、休まないらしい。すごい。

帰宅。溜まった洗濯物を片づけて、アメブロを書く。

18時3分に切り上げて、寝ているジロウを置いてヒグラシ文庫へ。今日はまゆちゃんとスペシャルスタッフ。菊水常温3合、チャーシュー、ささみわさび串、ジーマミ豆腐。

この大晦日の夜に、独りで呑んでいる妻帯者ふたりと隣り合わせる私(人妻)。

「(聞いていいのかなって感じで)……ジロウさんは?」
「熱出して寝てるー。Kちゃんは?」
「仕事ー」
「Tちゃんは?」
「実家ー」

大晦日なのにスーパーも寿司屋も営業していてありがたい。閉店する前に早めに店を出て、「食欲はある」というジロウの土産にトロの刺身と鉄火巻きを買って帰る。

ジロウの残した鉄火巻きとカップラーメンを奪い、年越しを待たず23時14分に寝落ち。