醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕一銭も払わずにお会計が終わっていた

f:id:mia-nohara:20200120154815j:plain

  • 大空晴れわたり
  • 死骸の沈黙
  • 山頭火

すまなかつた、寥平さんにも、彼女にも、私自身にも、――しかし、脱線したのぢやない、それだけまた心苦しい

種田山頭火 行乞記 三八九日記

師走大寒、晴れ。

双方にとって実り多い取材となりますように、素晴らしい情報がもたらされますように……と祈りを捧げる。

7時に起きる。睡眠効率100%、睡眠時間は7時間59分。

Sさんと9時に待ち合わせ。その前にプロントで朝食。目玉焼きがのったトーストのセット、ルイボスティー。

バスで川原町に向かう。Nさんと合流して取材スタート。部屋にいながらにして、情景がありありと目に浮かぶような、素晴らしき語りだった。

川原町のラスティコフォーというオシャレなパン屋さんでお昼。ラザニアのセット。オシャレパン屋だから、かるーいランチなのかと思いきや、ものすごい量のパンがついてきて驚く。食べきれずに2つ程お持ち帰り。

再び取材。同じスポットの情報を、違う視点から聞けてとても勉強になる。

無事取材が終わり、解散。昨日下見しておいた織田信長公居館跡を、もう一度新しい視点で確認しに行く。

ロープウェイのお土産屋さんで「天下布武」バッチをゲット!

f:id:mia-nohara:20200120153427j:plain

ほくほくしつつ、まだ日没まで間があるので長良川周辺をぶらぶらしてみることにする。

f:id:mia-nohara:20200120154514j:plain

鵜飼いの舟。頭とお尻が同じ形をしている舟は、全国的に見てとても珍しいのだそうだ。山の上には岐阜城。

f:id:mia-nohara:20200120155112j:plain

対岸から見る金華山もまた、美しい。

長良川うかいミュージアムへ行ってみる。小さなミュージアムだけど、体験型で動画もたくさん。1時間ではとても見尽くせなかった。途中から駆け足。閉館時間ぎりぎりまで堪能。

f:id:mia-nohara:20200120170402j:plain

冬は鵜飼いはお休みだけど、長良川には白鷺と青鷺が仲良く並んで歩いていた。ちなみに鵜飼いのウミウは、茨城県の沿岸から捕まえてくるんだそうです。

バスで駅周辺に戻って、呑み屋街を散策。これは! という呑み屋に目星をつけておく。

f:id:mia-nohara:20200120173641j:plain

ホテルに荷物を置いて呑みに繰り出す。なんとなく町には若者向けのオシャレな呑み屋が多い印象。そんなときは、スーツ姿のおっちゃんが独りで入っている店を選べば間違いない。

まずは「水谷 本店」へ。浅草の呑み屋のような、ぶっきらぼうな店構えが良い。客席に穴が二つ開いていて、ひとつにはおでん(串に刺さっている)、もうひとつにはもつ焼き(土手焼き? 焼き鳥の味噌煮込みみたいなやつ)の鍋がはまっている。

f:id:mia-nohara:20200120182424j:plain

こちらはおでん。

f:id:mia-nohara:20200120182619j:plain

あっちはもつ焼き? お隣は未成年の少年でした。

混んできて、いつの間にか常連さんたちの輪の中へ。「観光です~」と適当に流していたのだけど、「おねえさん、ライターでしょ?」と、なぜか正体を暴かれる。なぜわかったのだろう……。

熱燗2杯、焼き鳥はモモ、ナンコツ、牡蠣、ししとう、しいたけ。お裾分けのレバー。お会計は串の数、お酒の量は自己申告。常連さんたちが全部払ってくれて、さらに一杯ごちそうになる(都合3杯)。

せっかくだから、もうちょっと地元感ある店を回ってみようと、「三平」に入る。

f:id:mia-nohara:20200120193457j:plain

さっきの常連さんたちにまたばったり会ってしまう。鎌倉と同じで、みんな馴染みの呑み屋を巡回しているのだな……。

「三平」の名物だという、アゴをヒレ酒のようにした熱燗とおでん(大根、こんにゃく、卵)をいただく。ぐるりとコの字カウンターを囲む客は、みな常連で顔なじみのよう。どんどん奢ってもらってここでも熱燗3杯、一銭も払わずにお会計が終わっていた。あ、ありがとう……。

腹に炭水化物と汁物を入れておきたくなって、ドーミーインの夜鳴きそば。温泉に入って23時27分に寝る。