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いやだ、という言うことさえ、ずっと忘れていた。そんなふうに言う選択肢はなかったから。 一度拒否したら、それで終わってしまうと思っていた。私にはなんの価値もない、ただその体に喜んでくれているのなら、それでどうにか引き留めて置こうと思っていた。
ジロウがわりと早起きだったので一緒に散歩に出掛ける。材木座海岸の入り口で、奥さまが一人魂の抜けたように立ち尽くしている。その奥さまがすれ違うとき、「観光でいらっしゃったの?」と訊く。とっさに「いいえ」と答えると、「あ、そうなの。あんまり富…
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