〔おすすめ漫画〕「役立たず」が「いるだけで迷惑」なヤツのために奔走する 〜 市川春子「宝石の国2」
- 作者: 市川春子
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未来の地球。ここにはすでに「にんげん」の姿はなく、「にんげん」とよく似た格好をした鉱物たちが棲んでいる。すらりとした脚線美、ぷりんとしたおしり、平坦な胸。男ことばと女ことばの中間のような話し方をする。
彼らを装飾品にしようと襲いにくるのは「月人(つきじん)」たち。無表情な彼らは曼荼羅のように隊を組んで空から弓を射ってくる。宝石たちは二人一組で襲撃の見張りをして廻るほか、それぞれの特技を活かして役割を担って生活している。ある者は丈夫な服を縫い、ある者は木工で日用品をつくり、またある者は医学を身につけ砕けた仲間をつなぎ合わせる。
主人公は、お調子者で何をやらせてもダメなフォスフォフィライト(燐葉石)。僧形の金剛先生がやっと見つけてくれた「博物誌を編纂する」という新しい仕事も、しょっぱなから行き詰まっている。
生きているのに、役割が無いなんて辛いことだ。体から毒液を発してしまうシンシャ(辰砂)は、存在するだけで迷惑をかけてしまう自分を持て余し、必要もない夜の見回りという仕事に自らを閉ざしている。役立たずのフォスフォフィライトと、いるだけで迷惑のシンシャ。フォスフォフィライトは、なんとかしてシンシャに新しい仕事を見つけようとするけれど、なかなかうまくいかない。自分探しをしながら他人探しをするのは大変だ。
最年長のイエローダイヤモンドのように、戦うという明確な仕事があってみんなから慕われていても、なんのために戦っているかわからずに日々を重ねるのも虚しいことだ。でも、戦う理由をいちばんよくわかっているのは、なんにもできないフォスフォフィライトなのだ。
巻末のおまけマンガが毎回楽しみ。ツンとしたキャラクターの、本編では見せない意外な一面を見ることができる。
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