醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔おすすめ本〕いま何の仕事をやったらいいのか脳に聞いてみよう~菅原洋平『脳にいい24時間の使い方』

「朝は創造的な仕事をして、昼は運動して、夜は語らい合う」のがいいと、アン・モロウ・リンドバーグの『海からの贈物 (新潮文庫)』には書いてあった気がする。「そういう生活って素敵!」と思ってフリーランスになったわけだが、科学的にはどうなの? ということで、『脳にいい24時間の使い方』を読んでみた。

脳にいい24時間の使い方

脳にいい24時間の使い方

本書によれば、

午前(起床時間から6時間後まで)
 :頭を使う
昼 (〃 7~9時間後まで)
 :手を動かす
夕方(〃 10~11時間後まで)
  :体を使う
夜 (〃 12時間後から次の起床まで)
 :内蔵を使う 

のがベストであるとのこと。夕方起きて夜中活動する人も、「起床から何時間たったか」で計算をすれば当てはめられる。以降、おれの起床時間(だいたい6時)を自分のメモ用に当てはめていく。

だいたい6時起きの野原さんの場合

6~12時まで → 頭を使う
13~15時まで → 手を動かす
16~17時まで → 体を使う
18~翌朝まで → 内蔵を使う

ちなみに、起床から8時間後と22時間後は脳が働かなくなる時間帯だそうだ。俺の場合は、14時と2時だね。それを見越して、「4-6-11睡眠の法則」というのを取り入れると、睡眠リズムが整うそうだ。

「4-6-11睡眠の法則」

  • 起床から4時間後以内(10時まで)に光を見る
  • 6時間後(12時)にいったん目を閉じる
  • 11時間後(17時)に姿勢を良くする

これらすべてを実行しなくても、どれか一つやれば大丈夫とのこと。

起床!(6時)はスヌーズ機能が命取り。

1回の目覚ましでガバッと起きるべし。寝る前には次の日起きたい時間を3回唱えること。

早起きを習慣化したい場合は、「前日に目が覚めた時間」に起きることにする。そうすると、コルチゾールという物質の働きで、ちょっとだけ早く目が覚めるので、その瞬間にガバッと起きる。翌日は、ガバッと起きたその時間に目覚ましをセット。ちょっとずつだけど、目が覚めるのが早くなっていく。

夜中に目が覚めたときに、時計を見てはいけない。「あと3時間は眠れる……」と考えてしまうと、脳に「3時間」という言語がインプットされてしまう。

体は、朝日を基準に2ヶ月後の状態を準備している。朝日を浴びることで鬱は防げる。

夜勤と日勤がある人の睡眠の調整方法も本書には記されている。ここではメモしないが、当てはまる方はぜひ、本書参照されたし。

目覚めて2時間後(8時)は、重要な決断に向いている。

通勤中は、「ノーメディア」で外の景色を見ることで、脳が整理される。
コーヒーは、それまで嗅いでいた匂いをリセットする力がある。カフェインが脳内に到達するのは30分後なので、眠気覚ましとしての即効性は無い。匂いと記憶は、セット。コーヒーの香りでリセットした後に、他の香りと共に覚えたことは記憶に残る。

脳が最も活発になるのは、起床から4時間後(10時)。

創造的な作業はこの時間がベスト。

メンタルが最も強いのは、起床から5時間後(11時)。

人と話すということは、空気を介してお互いの菌を交換することに等しい。免疫が下がっているときは、人と話すだけでダメージが大きい。人と合うのが億劫なときは、まずは自分に優しくしよう。

午後のウトウトを防ぐには、起床から6時間後(12時)に仮眠。

座ったまま1~30分、仮眠を取る。目を閉じるだけでも効果あり。仮眠のときも、目を覚ましたい時間を3回唱えること。30分以上は眠らない。

眠気を感じていなくても、書類の内容が頭に入ってこないというときは、脳が悲鳴を上げている状態。そんなときは1分でいいので仮眠をとるべし。

起床7時間後(13時)はアドレナリンの分泌が最高になる。

目と手の強調能力が高まる時間なので、単純な手作業向き。熱しやすいので、細かい議論には不向き。この時間帯の会議には注意。

テンションが上がらないときは、鉄分が不足しているのかも。ろれつがまわらなくなったり、思ったことと違うことを口走るのは、逆にテンションの上がりすぎ。

起床8時間後(14時)、テンションが急速にすぼまる時間。

ひたすら手を動かすシングルタスク向き。

起床9時間後(15時)、楽観的になる。

反省会や勉強会向き。

起床10~11時間後(16~17時)、体のパフォーマンスが最高になる。

この時間に眠ってしまうと、夜は眠れなくなるので要注意。姿勢が悪くてもパフォーマンスが落ちる。運動するならこの時間がベスト。

起床14時間後(20時)は、アルコールの分解能力が最も高い。

昼酒が酔いやすく感じるのはそのせい。お酒を呑む時は、お酒による脱水症状に備えて、あらかじめコップに1杯の水を飲んでおくこと。

朝は重めな仕事をして、昼は単純作業して、夕方に体を動かして、夜は一献……という感じかしらっ。しかし、創造的な仕事から始めると、昼過ぎに力尽きて単純作業が回らないという現実もあり。今は、とにかく単純作業をバシバシこなしてから集中する仕事にとりかかる、という方法を実験中です。