醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

原口典之・美術「継続と実践」オイルプールを観にplan-Bへ行く

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原口さんが酔っ払ったときの効果音は、「ギャオス!」という感じ。
今にも炎を吐き出しそうな気迫である。
ときどき呑み屋で行き逢う酔っ払いのオヤジは、日本を代表する現代美術家であった。


中野区にあるplan-Bという妖しいスペースへ、原口典之氏のオイルプールを観に行く。
plan-Bは、舞踏家の田中泯さんが稽古する場であるらしい。

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この暗い階段の先がplan-B。
マンションビルの地下にある(迷ってマンションの管理人さんに場所を尋ねた)。
階段を下るにつれ、廃油の臭いがきつくなる。


この場に合わせてつくられた漆黒の闇。

写真撮影可、観客席に座って好きなだけ眺めていていいという贅沢な時間。

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隣の控え室にも展示がある。
もともと塗られていたという、どぎつい緑色の壁に合わせた作品だ。


原口さんは昨年(2017年)、イランに行っていた。
イランのテヘラン現代美術館には、1977年に原口さんが制作した「物質と精神」というオイルプールが、今もなお展示されている。

ある日突然、イラン人の女性シリン・サバヒさんから原口さんのところに電話がかかってきたそうだ。
子どものころから原口さんのオイルプールを観て育ち、自分も美術家を志すようになった、ついては40年という節目に原口さん自身の手でメンテナンスをお願いしたい、と言う。


40年、常設展示され続けていた作品だ。もしかするともう原型はとどめていないかもしれない。


しかし、40年ぶりに対面するオイルプールは、当時と何の変わりもなくそこにあった。

自分は歳を重ね、やがてはこの地上からいなくなるが、作品は100年経ってもそこに残る。

その場を目撃するのはどんな感覚なんだろうか。


parstoday.com


展示は2018年5月5日(土)まで。
平日は16時オープンというその時間帯も独特。
入場料は500円。

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原口典之・美術「継続と実践」
2018年4月17日(火)~5月5日(土)
平日16:00~20:00 土日祝日12:00~18:00
plan-B 東京都中野区弥生町4-26-20 モナーク中野地下1F
入場料 500円

NORIYUKI HARAGUCHI Society and Matter 原口典之 社会と物質

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