醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕このあたりは真言宗なのだな

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  • こんなところに
  • こんなシヤンがゐる
  • 波音
  • 山頭火

自動車が走る、箱馬車が通る、私が歩く。

種田山頭火 行乞記 (一)


長月二日、晴れ。今日も夏のように暑い。

誰かの葬儀の夢を見た。亡くなったのは、主人の母親であるようだった。義母は血縁の無い、主人の前妻の家族と共に暮らしていた。夫婦関係は終わっても、嫁姑関係は、実の母娘のように続いていたらしい。喪主を一人に決めずに、二つの家族で葬儀を取り仕切ることになった。

前妻の家族の家は、公団住宅のような大きなマンションの一階で、植物園のように広いサンルームと庭があった。庭の植生はマンションの敷地を越えて、外の河原にまで広がっていた。巨大なマンションの敷地には、冠婚葬祭のできる施設も、娯楽施設も揃っている。葬儀はそちらの会場を借りることになった。

通夜は映画館で行った。お焼香の代わりに、親族と参列者とが短い映画を観るのだ。火葬された義母の遺骨は、後日運送会社が配送してくれることになっていた。住み慣れた家に戻すのがよいだろうと、先妻の家を指定した。

葬式は先妻の意向で、日中にサンルームで行われることとなった。
「母さん、明るいのが好きだから」と彼女は言っていた。
葬式にはサラダビュッフェが振る舞われた。肉料理がないのは、これも義母の趣味を組んだ先妻の意向であるらしかった。

サンルームでサラダを取り分けると、みな皿を手にして庭に出る。誰もが喪服であることをのぞけば、それは結婚式の会場のように見えた。

配送に手違いがあったらしい。骨壺は先妻の家ではなく、主人のところに届いた。その立派な淡い青磁の壺だった。


日記を書こうとしていたけれど脱線して、ついウェブサイトでポートフォリオをつくり込む。まだもう少しいじる予定だ。

事務仕事の予定だったが、天気がいいので出かけたいとジロウが言う。材木座を歩いてかたつむりを目指すが、水曜定休だった。盛華園に寄る。ネギラーメン。ジロウは挽肉そばの汁あり。どちらも残念な感じではあった。

踏切を越える。そこで亡くなったSさんに手を合わせる。「みあぁ!」と、いつものように呼ばれたような気がした。

駅前のスタバでコーヒーで口直しをし、崎陽軒のシュウマイを買って江ノ電に乗る。長谷で降りて、極楽寺坂を目指す。

虚空蔵菩薩に呼ばれる。

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狛犬が可愛い。

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雄と雌でヘアスタイルが違う。

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屋根の上の狛犬は、ぶっ飛んでいる。

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真言をいただいた。

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工事が終わった成就院にお参りし、極楽寺にも行く。このあたりは真言宗なのだな。そのままてくてくと稲村ヶ崎まで歩き、ビールを買う。夕日を眺めつつ、トンビに警戒しつつシュウマイをいただく。目の前の芝生では小池龍之介和尚がヒーリングっぽいことをしていた。

鎌倉へ戻って筍へ。土佐鶴、とうがらし梅酒、ガリサワー。サーモンの塩麹漬け、レバームース、厚揚げの味噌煮、キーマカレーのあたま。中華三番へビトくんのライブを聴きに行くというジロウを見送る。ヒグラシへ移って冷酒、鶏ナンコツ。今日はかおりさんデーだ。