〔日記〕正解なんてない
- あぶないきたない
- 仕舞湯であたゝまる
- 山頭火
けふの行乞相もよかつた、しかし一二点はよくなかつた、それは私が悪いといふよりも人間そのものの悪さだらう! 四時近くなつたので此宿に泊る、こゝにはお新婆さんの宿といつて名代の宿があるのだが、わざと此宿に泊つたのである、思つたよりもよい宿だ、いわしのさしみはうまかつた。
種田山頭火 行乞記 (一)
長月廿一日、晴れ。
風呂でパム・グラウトの『こうして、思考は現実になる』2巻を読み返す。
- 作者: パム・グラウト,桜田直美
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2015/01/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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何回か読み返した気になっていたけれど、けっこう覚えていないエピソードもあった。初めて読む本のように楽しんだ。
まだKindleを始める前に買ったから、手元にあるのは紙の本だ。最近、iPhoneのkindleアプリばかり使っていて紙の本はあまり持ち歩いていなかったけれど、久しぶりに鞄につめて出掛けよう。
ばりばり働いていたころに契約していた、有料のWebサービスやら会員サービスやらが更新時期らしく、クレジットでいつのまにかVIPな料金がひかれていて驚く。
最近はそこまでガツガツとクラウドデータやら新幹線やらは使わないんだけどな、と思いつつ、解約するのは惜しい気がする。自分のペースで、無理せず使いこなせる日を待っているのかもしれない。
わりと風邪の症状がおさまってきた。昼はネギでさらに追い打ちをかけよう、と、静雨庵の行列に並ぶ。ミソネギラーメン。
銀行で各種税金の支払い。一つ前にATMに並んでいたおねえさんが不慣れらしく、気がつけば私の後ろにも人が並び始めている。待つのはいいが、待たれるのは嫌だな。
順番が来て、自分の分の手続きをありがたいことにスムーズに終え、後ろに並んでいたおじさまにちょっと会釈して順をゆずる。
と、そのおじさんが「忘れ物とかないよね? 大丈夫?」と念を押すように言う。
「えっと、大丈夫だと思います」とニコッとして銀行を出たが、後から腹が立ってきた。私がいかにもATMに忘れ物しそうな言い草じゃねえか。しかもなんだその、上からの態度は。ため口とかなめ腐りやがって、クソジジイ。
「くそー」と言いながら肩をいからして小町通りを北上する。いやいや、心配をしてくださって親切なオッサンじゃねえか、おれが短気なだけなんだ。
「海明ちゃんって、いつも額に『なめんなよ』って書いてあるハチマキ巻いてるみたいだよね」と前に言われたことを思い出す。なめ猫か。
気を取り直してコンタクトレンズを買いに行き、お店のおにいさんがうやうやしく接客してくださって、そんな怒りもけろりと忘れる(単純である)。
御成スタバへ。今日もまずは小説を書く。
きっと、お互いに表面しか見えていなかったんだ。外見だとか、体だとか。それでもずっと恋していた。
— 野原海明/小説家 (@mianohara) October 29, 2018
私は、別れる今になって、ようやく自分の内側を坂井の前にさらけ出しているのかもしれない。
白濁(五十五) - 終わらない夏 @mianohara - g.o.a.t https://t.co/fpVDCX8B4z
溜まっていた日記を書く。
よしながふみの『大奥』を読み始める。
— 野原海明/小説家 (@mianohara) October 29, 2018
男女が逆転してしまった大奥の、その深い闇に惹かれる。女性が働くその架空の江戸は、働き蜂や蟻の社会のように見えた。
〔日記〕よしながふみの『大奥』を読み始める - 醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明 @mianohara https://t.co/yVTA8qp7Rm
高山なおみの『帰ってきた日々ごはん』3巻を読む。学生時代、高山さんとスイセイさんの夫婦の暮らしに憧れていた。
— 野原海明/小説家 (@mianohara) October 29, 2018
〔日記〕何が変わり、何が変わらないままなのか - 醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明 @mianohara https://t.co/P8DVilydRU
ゆうちょで、ペンネーム名義の振替口座をつくった。設定しようと思ってコーヒーをお代わりしたけれど、明日、家でゆっくりやることにする。
『こうして、思考は現実になる』2巻の続きを読む。
ヒグラシ文庫へ。今日はまゆちゃん。……と思ったら、カウンターの中に紘一君がいる。なんと、有高唯之×斎藤紘一によるスペシャルデーが予定されていて、その予行練習なんだという。なんですか、そのイケメン文庫は。
なみなみと注がれた冷酒二合(正二合超え)、牡蠣と鱈の白菜あんかけ、豚のタイ風炒め。病み上がりの弱った体に二合は思いのほか重かった。
帰宅して、『帰ってきた日々ごはん』3巻の続きと、4巻を一気に読む。
- 作者: 高山なおみ
- 出版社/メーカー: アノニマ・スタジオ
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長く日々を共にした二人が、個々に別れて暮らすことを決めるまでの記録にも読める。さらりと過ぎていく日記の中に、きっとこれが決定的な日だったのだろう、という言葉が挟まれている。
それは、世間一般的に見たら哀しい決断なのかもしれないけれど、人と人との関係に正解なんてない。そのとき、そのときに、一番しっくりくる生き方を選んでいけばいいのだと思う。